マカオ返還15周年 習主席訪問ならVIP客減? カジノ売上への影響に注目
- 2014/11/12 21:12
- 産業・経済
今年(2014年)12月20日、マカオがポルトガルから中国へ返還され15年目を迎える。同時に、今年8月の行政長官選挙で信任投票による連任が決まった崔世安氏が第4代マカオ行政長官に就任、新たな任期(5年間)のスタートとなる節目の日にもあたる。マカオや香港では、このタイミングに合わせて習近平国家主席がマカオを訪問する可能性があると予想する報道が目立ちはじめた。
習近平国家主席といえば、2013年3月の政権発足以来、汚職に対する取り締まりや贅沢禁止など綱紀の引き締め政策を積極的に推し進めてきたことで知られる。今年6月以降、マカオのカジノ売上が5ヶ月連続で前年割れを続けており、特にVIPカジノ部門が苦戦している。VIPカジノの主要顧客基盤とされる中国本土からマカオを訪れる富裕層が減っていることその要因として指摘されている。
今年のマカオのカジノ売上は、上半期が好調だったことから、6月以降5ヶ月連続で前年割れとなりながらも、10月を終えた時点の累計で前年同期比2.3%と辛うじてプラスを確保している。マカオ政府のフランシス・タム経済財政担当相は、通年では前年並みとの見通しを語っているが、11月、12月の2ヶ月の結果次第では微妙なラインともいえる。
仮に今年12月、習近平国家主席がマカオを訪れるとした場合、あえてその時期にマカオを訪れようとする中国本土の富裕層は少ないはずだ。そのため、VIPカジノの売上減につながるのではないかとみられる。通年のカジノ売上の結果にどのように影響するかに注目が集まりそうだ。
2002年にマカオのカジノライセンスが対外開放されて以来、2003年に香港や広東省で流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)、2008年のリーマンショックに端を発した経済危機などがあったが、カジノ売上は一度もマイナスになることなく成長を続けてきた。