Q3マカオ不動産市場不調 成約数、価格とも減 VIPカジノ苦戦と近隣地区シフトで

マカオのカジノ売上が今年(2014年)6月以降、5ヶ月連続で前年割れとなっている中、不動産市場に対する影響が注視されてきた。11月17日、マカオ政府統計調査局が発表した今年第3四半期の不動産取引統計の内容によると、成約数、価格ともに第2四半期から大幅な下落となったことがわかった。

住宅ユニットの売買は1769戸、総価値は114.2億パタカ(日本円換算:1665億円)、第2四半期からそれぞれ28%、35%の下落となった。実用面積1平米あたりの単価は10万24パタカ(約146万円)で、第2四半期との比較で10%下落したが、前年同期との比較では50%近い大幅な上昇を記録している。住宅ユニットのうち、未完成物件の平米単価は14万4086パタカ(約210万円)で、第2四半期から22%下落、前年同期からは上昇。現物物件では9万1251パタカ(約133万円)で、第2四半期から5%の上昇となった。

本紙がマカオの不動産業者に取材したところ、第3四半期の不動産市場が不調だったことについて、理由は大きく2つ挙げられると話す。1つは、6月以降のVIPカジノの売上減に伴い、業界関係者の中で手持ちの現金が不足する者が出てきているため、手持ちの不動産を処分しにかかる動きが見られるという。もう1つは、マカオと隣接する広東省珠海市の市街地や同市の横琴新区で大規模マンションの売り出しが行われたため、投資家の資金がそちらに向かっているという。一方、マカオの一般市民による自家用物件に対する需要は継続して高いことから、即入居できる現物物件の価格は安定して伸びているとのこと。また、今後、マカオと珠海市の間で24時間通関化が実現すれば、より珠海シフトが進む可能性もあると指摘する。

新興高級住宅街として知られるマカオ・タイパ島中心部の高層マンション群(資料)—本紙撮影

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