マカオの10月入境旅客数11%増の265万人=中国本土旅客が全体の7割、連休効果で大幅伸長

マカオ政府統計調査局は11月24日、今年(2014年)10月の入境旅客数統計を発表。総数は前年同月比11%増の265万4180人(のべ、以下同)で、このうち日帰り旅客が全体の55%を占める147万484人だった。

マカオの入境旅客数は今年8月に単月過去最高の旅客数を記録した後、9月は伸び率が鈍化したが、10月は中国の建国記念日にあたる国慶節、重陽節などの連休があったことから、再び2桁増となった。香港のデモ隊による道路封鎖を受け、本土旅客の一部がマカオへ行き先を変更した分の上乗せもあったとみられる。

今年10月の入境旅客の出身地別では、中国本土旅客が前年同月比20%増の182万4719人(うち個人旅行者は18%増の79万8110人)、省市別割合では広東省が78万1471人、福建省が8万4536人と多かった。旅客総数に占める中国本土旅客の割合は前月から2.4ポイント上昇の約68.7%。この他、韓国が4万5119人、日本が2万1889人で、それぞれ17%、2%増。一方、香港が50万8710人、台湾が7万9057人で、それぞれ6%、11%減。なお、長距離地区では米国が1万5449人、オーストラリアが9112人、カナダが6656人、英国が5838人で、いずれも減少となった。

10月の旅客平均滞在時間は前年同月と同水準の1.0日、宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は2.0日、同日帰り旅行者は0.2日。

今年1〜10月の累計入境旅客数は2618万3189人で、前年同期比8%増。このうち日帰り旅客が総数の54%を占めた。出身地別では、中国本土、韓国、日本からの旅客が増、香港、台湾は減少となっている。長距離地区の米国、英国は増、オーストラリア、カナダは減となっている。

このペースでいくと、年間入境旅客数はマカオ史上初めて3000万人の大台を突破する見通し。

2012年秋以降、日中関係の複雑化、それに伴う直行便の減便といったものに加え、マカオのホテル価格の高騰による他地域への顧客流出、昨今の円安傾向など複数の要因で日本人旅客の減少が続いてきた。2013年秋以降若干の回復傾向にあり、今年2月、3月は上昇し、4月に反落したが、5月に再び上昇に転じ、10月までその勢いを持続している。

現状、マカオの観光マーケットは、中国本土旅客への依存度が極めて高いとなっており、過度な依存に対する警戒感も根強い。マカオ政府では海外からの旅客誘致のためのプロモーション活動に力を注いでいるが、本土で高まるマカオ渡航意欲の勢いに全く追いつけていない。

中国本土からマカオを訪れる旅客の大半が利用する出入境施設、關閘ボーダーゲート(資料)―本紙撮影

中国本土からマカオを訪れる旅客の大半が利用する出入境施設、關閘ボーダーゲート(資料)―本紙撮影

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