中国富豪のプライベートジェットブーム沈静化=綱紀粛正ムード影響か

2003年以降、中国の富豪たちの間でプライベートジェットブームが続いてきたとされる。香港のアジアンスカイグループの推計によると、2013年の中国本土のプライベートジェットの数は前年比28%増の248機に達した。しかし、今後は伸びが鈍化するとする見通しもあるという。マカオの有力日刊紙「澳門日報」が12月26日付紙面で報じた。

米航空宇宙機器大手のハネウェル・エアロスペース社が中国の富豪に対して実施した調査データによると、プライベートジェット購入計画があると回答した割合は、2013年に42%あったが、2014年には29%にまで下落したという。世界平均は23%だった。

中国では、2013年3月に習近平国家主席が就任して以降、汚職に対する取り締まりや贅沢禁止など、綱紀の引き締め政策が積極的に進められている。この動きが「贅沢品」の象徴でもあるプライベートジェット購買欲にマイナス影響を与えたことは想像に難くない。ハネウェル・アエロスペース社のアジア太平洋地区総裁は「将来的には成長も見込める市場だが、今は特殊な時期にある」語っている。

ある航空業界関係者によると、今年(2014年)4月に上海で開催されたアジアプライベートジェット展の会場で、88機のプライベートジェットとヘリコプターの購入契約が締結されたが、このうち3分の1について契約キャンセルになるだろうと予想する。2013年以降、中国ではプライベートジェット購入契約について、キャンセルや支払い遅延といった違約率が上昇しているとのこと。また、すでにプライベートジェットを所有している富豪の中にも、手放す動きがみられるという。

マカオ国際空港(資料)=マカオ・タイパ島―本紙撮影

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