昨年(2014年)のマカオのカジノ売上が前年比2.6%減の3515億2100万パタカ(日本円換算:約5兆2500億円)となり、2002年のカジノライセンスの対外開放以降初めて前年割れとなった。昨年1月から5月までは前年を上回る勢いだったが、6月以降、7ヶ月連続で下落しており、マイナス基調がいつまで続くのかに注目が集まっている。
マカオの日刊紙「澳門日報」が1月3日付紙面で報じた。投資銀行のバークレイズが発表したレポートによると、マカオのカジノ売上は今年上半期は下落が続くが、下半期から回復するだろうとした。UBSでは、今年1月が15%、2月が30%のそれぞれマイナスになるとしたほか、15-17年のVIPカジノ売上について、毎年10%ずつ下落すると予測する。
今年下半期以降、コタイ地区を中心にカジノ付き大型IR(統合型リゾート)施設の開業ラッシュが始まることから、そこがターニングポイントになるとの見通しのようだ。
マカオのカジノ産業に詳しいマカオ理工大学の曽忠禄教授は、マイナス基調にあるマカオのカジノ売上に関して、前年比30%減の232億パタカ(約3480億円)となった12月で底を打ったと見る。1日平均にすると7.5億パタカ(約113億円)となるが、この規模であれば、カジノ運営企業の財務状況も安定した状態を保つことができ、全く問題ないだろうとの見方だ。例年カジノ売上が急上昇する旧正月(今年は2月中旬)要因を除いたとしても、今年1-5月の1日平均カジノ売上は7-8億パタカ(約105-120億円)で推移、旧正月分を含めると8-9億パタカ(約120-135億円)に達するだろうと予想する。