マカオ・コタイ地区で大型IR(統合型リゾート)施設「シティ・オブ・ドリームズ」を運営するメルコ・クラウン・エンターテイメント社(以下、MCE)のローレンス・ホー共同会長兼CEOは1月12日に地元メディアの取材に応じた際、特色あるIR施設を建設するには、カジノの存在が不可欠との認識を明らかにした。
マカオの日刊紙「澳門日報」が1月13日付紙面で報じた。MCEでは、およそ20億香港ドルを投じ、シティ・オブ・ドリームズの専用シアターで2010年9月から世界最大規模のウォーターショー「ザ・ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター」上演している。これまで9割を超える予約率を誇っているというが、単体の収支はようやくトントンというところだそうだ。また、今年(2015年)中頃にオープンを予定しているコタイ地区の新規大型IR施設「スタジオ・シティ マカオ」にも、世界的イリュージョニストとして知られるフランツ・ハラレー氏がデザインしたマジック館やバットマンのアトラクション「バットマン・ダーク・フライト」などのファミリー向けレジャーセンターを設ける予定というが、利益を生む構造にはなっていないという。
ホー氏は、IR施設運営において、カジノは財務の牽引役であり、カジノなくして特色あるIR施設を建設することは不可能だ、と語る。MCEが運営するシティ・オブ・ドリームズのカジノでは、現在およそ450台のゲーミングテーブルが稼働している。また、今都市オープン予定のスタジオ・シティ マカオはゲーミングテーブル500台分が収容できるスペースを備え、当初400台分の割り当てを政府から獲得することを見込んでいるという。ホー氏によると、2つのIR施設全体に占めるゲーミング(カジノ)とノンゲーミング要素の割合は、それぞれ5%と95%とのこと。たった5%にしか過ぎないカジノが、巨大なIR施設全体を支える屋台骨となっているといえる。