中国の海外不動産投資46%増の1.9兆円=商業用で初めて国内抜く

国際総合不動産サービス会社のJLLが1月27日に発表したリポートによると、昨年(2014年)の中国による海外不動産投資額が前年比46%増の165億米ドル(日本円換算:約1.9兆円)に達したという。このうち、商業用不動産への投資が5割超の112億米ドル(約1.3兆円)となり、初めて中国国内を上回った。

マカオの日刊紙「澳門日報」が1月28日付紙面で上海ロイター電を引用する形で報じた。JLLのレポートでは、中国の海外投資先として、物件種別ではオフィスビルとホテルの人気が高く、エリア別では欧州が55億米ドル(約6500億円)超の投資を吸引しているという。また、注目が高まり30億米ドル(3500億円)超の資金が流れ込んだオーストラリアが米国を抜き2位となった。

中国の海外投資が膨張する背景には、中国のマクロ経済が調整局面にあり、住宅市場が低迷する中、中国のディベロッパーや機関投資家が持続的な利益を確保するため国際市場の多元化投資に目を向けている現状があるという。

中国の投資家は知名度の高いロンドン、シドニー、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴといった主要都市に集まる傾向もあるという。昨年、都市別ではロンドンが40億米ドル(約4700億円)の投資を吸引し、トップに立った。2位はシドニーの22億米ドル(約2600億円)。ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ブリスベン、東京、シンガポールについても、それぞれ5-15億米ドル(約600-1800億円)の中国からの投資があったという。

JLLによると、中国の海外不動産投資は今年も伸長するとの見方で、およそ200億米ドル(約2.4兆円)に達すると予測している。

中国の海外投資先として知名度の高い米国の都市などが人気(資料)=香港国際空港—本紙撮影

中国の海外投資先として知名度の高い米国の都市などが人気(資料)=香港国際空港—本紙撮影

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