カジノ売上停滞のマカオ、一部VIPルーム業者が「逆張り」戦術で拡大図る
- 2015/2/7 10:33
- カジノ・IR
マカオの月次カジノ売上が昨年(2014年)6月から今年1月まで8ヶ月連続で前年割れとなっており、マカオ政府及びマーケットは、およそ1年間の停滞期に入ったとの見方で共通している。
目下、マカオのカジノ売上の大半を稼ぎ出すのがVIPルームだ。しかし、中国本土の反汚職キャンペーンやマカオ当局によるカジノ周辺の規制強化などを理由に、VIPカジノの主要顧客基盤である中国本土富裕層のマカオ渡航意欲が減退しているとされ、昨今のカジノ売上減の主要因として挙げられる。
最近、VIPルームの業界再編の動きが見られるという。複数のVIPルーム運営業者が廃業や規模の縮小を余儀なくされるとのネガティブなニュースが飛び交う中、「逆張り」戦術で事業拡大を図る業者も存在するとマカオの日刊紙「澳門日報」が2月5日付紙面で報じている。
マカオの複数のカジノ施設内でVIPルームを運営する香港上場企業のジーメイ・インターナショナル・エンターテイメント・グループ(集美国際娯楽)が香港証券取引所に提出した資料によると、マカオ資本のカジノ仲介業者、新国際会一人有限公司と包括協議を締結し、ウィンマカオのVIPルーム内に30台以上のゲーミングテーブルを確保する予定という。このほか、オーストラリアのカジノ、クラウンパースとカジノ仲介人契約を結ぶとしている。
また、マカオの大手カジノ仲介業者、サンシティグループは、全社員に対して7%の賃上げと、今年、複数のVIPルーム及びエンターテイメント施設の新規開設による事業拡大を発表している。
カジノ関係者によると、VIPカジノ売上が急落する中、カジノ運営企業側が仲介業者に対するVIPルーム参入条件を緩和するなど、誘致を促す動きも見受けられるという。資金力豊富な大手を中心に、着々と勢力を拡大している様子が伺える。