ヴェネチアンマカオなど、マカオで複数のカジノ・IR(統合型リゾート)施設を運営するサンズチャイナ社は2月13日、2014年通期の決算内容を発表した。
売上高は前年比6.7%増の737.43億香港ドル(日本円換算:約1兆1300億円)、調整後EBITDAは12.4%増の252.99億香港ドル(約3900億円)、利益は15.0%増の197.65億香港ドル(約3000億円)となり、過去最高売上、利益を更新した。
部門別の売上高では、カジノが5.8%、ショッピングモールが17.3%、ホテル客室が11.5%、飲食が14.3%、コンベンション・フェリー・リテールその他が12.4%のいずれも増。
同社が運営する4つのカジノ施設、ヴェネチアンマカオ、サンズコタイセントラル、ザ・プラザ、サンズマカオでは、いずれもVIP部門のローリングチップ総収入がマイナスとなったものの、マスゲーミング(平場)のノン・ローリングチップ売上が大きく伸長。カジノ売上はサンズマカオを除く3施設のカジノ売上が前年を上回った。
マカオの月次カジノ売上は昨年(2014年)6月から今年1月まで8ヶ月連続で前年割れとなっている。マカオのカジノ売上の大半を稼ぎ出すのがVIPカジノ部門だが、中国本土の反汚職キャンペーンの拡大などを受け、主要顧客基盤である中国本土富裕層が同じ中国にあるマカオでのギャンブルを避ける動きもみられる。
サンズチャイナ社は早くから本格的なIR施設展開を志向しており、他のカジノ運営企業と比較してVIPカジノ部門への依存度が低い。今回の決算発表の場においても、増収の要因として訪問客数の増、ノンゲーミング分野の拡充を挙げた。