マカオの2月カジノ売上「半減」の2600億円=投資銀行各社予測

およそ1週間に及ぶ旧正月連休が終わり、中国本土からマカオを訪れた旅客は前年同期比で増加となったとする統計も発表されたばかりだが、カジノ売上の底上げには結びつかなかったようだ。

投資銀行各社が2月25日に発表した最新レポートによると、旧正月連休中のカジノ売上は予想を下回ったとしており、今月の月次カジノ売上は前年同月から5割以上のマイナスとなる175億パタカ(日本円換算:約2600億円)程度になると予想している。

JPモルガンでは、マカオの2月1日から23日までのカジノ売上がわずか139億パタカ(約2070億円)にすぎず、1日平均売上にすると約6.05億パタカ(約90億円)で、1月の7.66億パタカ(約114億円)から大幅減となっているとしている。また、旧正月連休の3日間を含むピーク期にあたる2月16日から23日の8日間の1日平均売上は5.6億パタカ(約83億円)となり、前週の5.8億パタカ(約86億円)を下回った点も重要ポイントとして挙げた。

部門別の2月のカジノ売上の大マイナス要因について、大型連休前の落ち込みといった季節的なものではなく、需給バランスに問題があると指摘。旧正月ピーク期のマスゲーミング(平場カジノ)部門の需給バランスは健康的であったものの、これまで売上の大半を占めてきたVIP部門は低迷、マスとVIPの中間にあたるプレミアムマス部門についても供給過多の状態にあったとしている。

同社では、2月の月間カジノ売上を前年52-55%減、今年(2015年)の通年についても25%減と予測した。

シティでは、マカオのカジノ業界統計を根拠に、2月1日から23日までのカジノ売上が133億パタカ(約1980億円)、直近8日間の1日平均カジノ売上が前週比5%減の5.58億パタカ(約83億円)とした。月末まで3日間を残す中、2月のカジノ売上は事前の保守的予測を下回る前年比54%減の175億パタカ(約2600億円)と見込む。

クレディ・スイスでは、旧正月連休中のカジノ売上の低迷に失望が広がっているとし、2月のカジノ売上見通しについては前年比45%減とした。

なお、昨年2月の月間カジノ売上は単月過去最高となる380億パタカ(約5660億円)を記録した。マカオのカジノ売上は昨年6月から今年1月まで8ヶ月連続で前年割れが続いている。

マカオのカジノ(資料)—本紙撮影

マカオのカジノ(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区の統合型リゾート(IR)ギャラクシーマカオに併設する現地最大規模のウォーターパ…
  2.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで4月14日から20日まで卓球シングルスの国際大会「…
  3.  マカオ政府統計センサス局(DSEC)は4月17日、2024年マカオの環境統計を公表。同年のマカオ…
  4.  総合不動産サービス企業のJLL(仲量聯行)は4月17日、同社がマカオ・コロアン島の石排灣地区に位…
  5.  このほどマカオのゲーミング規制当局(博彩監察協調局=DICJ)が公表した今年第1四半期(2025…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…
  2.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年4月号
(vol.142)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun