マカオ沿岸で中国蛇頭の密航ボート転覆=8人不明、一部上陸し逃亡、定員超過原因
- 2015/2/27 18:52
- 社会・政治
マカオ政府の海事水務局、税関当局の発表及び地元メディア各社の報道によると、2月27日午前5時50分頃、マカオ・コロアン島の南にあるハクサビーチの沖合で小型モーターボートの転覆事故が発生した。マカオ税関の巡視船が海上パトロールを行っている際に発見したという。
船に乗っていた人のうち、一部は自力で泳ぎマカオへ上陸、または救助されたというが、7〜8人が以前行方不明になっており、マカオ及び中国本土当局が海上及び上空から大掛かりな捜索活動を行っている。
自力で上陸または救助された6人のうち、1人は蛇頭だったという。また、残る5人は広西チワン族自治区、黒龍江省、広東省など中国本土各地の出身者で、マカオ当局の取り調べに対して観光及び賭博目的でマカオ密航を企てたと供述しているという。また、所持品から偽造旅券などが押収された。
船には蛇頭の3人を含む17〜18人が乗っていたといい、一部はマカオ上陸後に逃走した可能性もあるという。
マカオ当局では、すでにモーターボートを回収済み。全長7メートル、最大幅2メートルの小型かつ簡素なもので、定員は5〜6名程度のものだったという。定員のおよそ3倍を乗せていたことでバランスを崩したことが転覆の原因とみられる。
統計によると、マカオ税関当局が検挙した昨年(2014年)の密航摘発件数は349件にも上り、このうちおよそ3割がコロアン島で発見されたものだった。
マカオは1999年12月20日にポルトガルから中国へ返還され、中華人民共和国マカオ特別行政区となったが、以後も独自の入境管理や通関事務を行っている。2003年に中国本土から香港、マカオを訪れるための個人旅行ビザ発給がスタートしたが、渡航頻度、滞在期限などに制限が多い。違法な就労やカジノ賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。