中国、大型連休方式の見直し検討=旅客の一極集中避ける狙い
- 2015/3/10 10:56
- 社会・政治
中国の大型連休にあたる先月中旬の旧正月シーズン、日本にも多くの中国人旅客が訪れ、「爆買い」という新しい単語がメディアを賑わせたことは記憶に新しい。日本では経済効果に期待が集まっているが、いずれも年間数千万人規模の中国本土旅客が訪れ、面積も小さい香港やマカオでは、大量の中国本土旅客の流入に伴う受け入れキャパシティ問題に直面している。
マカオの面積は山手線の内側のおよそ半分の30平方キロメートルという小さな街だ。中国本土の広東省珠海市と陸続きの位置にあり、年間訪マカオ旅客3150万人のうち、およそ7割を中国本土から旅客が占める。
マカオを訪れる中国本土旅客は、旧正月や労働節(メーデー)、国慶節(中国の建国記念日)といった中国本土の大型連休シーズンに集中する傾向にある。観光名所の多い旧市街地周辺では、身動きが取れなくなるほどの混雑となり、近年では歩行者規制措置が導入されることが常態化している。このほか、通関施設や交通機関の混雑、住宅街にまで旅客があふれるなど、市民生活にも大きな影響が及んでいることから、都市としての旅客受け入れキャパシティ問題が社会的関心事となっている。
マカオの日刊紙「澳門日報」が3月10日付紙面で報じた内容によると、中国の国会にあたる全国人民代表大会の賀一誠常務委員は3月9日、「マカオに限らず、世界各地の交通機関、ホテル、観光地などにおいて、一時期に集中する大量の中国本土旅客に対する受け入れキャパシティ問題に直面しているはずだ」との見方を示したという。現在、中国国家観光局が旅客の分散化を目的とした大型連休方式の見直しについて検討を行っているとし、早ければ来年(2016年)にも調整が実施される可能性があるとした。