イースター5連休、マカオからの訪日旅客1割増=円安追い風

今年(2015年)、マカオではキリスト教の祭事「イースター(復活節)」と中国の年中行事で日本におけるお盆に相当する「清明節」の休日が重複することから、振替休日を含めて4月第1週の週末を中心に最大5連休となる。

マカオの日刊紙「澳門日報」が3月23日付誌面で報じた。マカオ観光業議会の胡景光理事長によると、日本、韓国、タイ、東南アジアといった近場のデスティネーションが人気で、中でも円安、ウォン安による日韓渡航ブームの影響もあり、昨年の同じ時期と比較してマカオから海外旅行に出かける人の数は全体で5%程度増えるとの見通しという。

マカオのカジノ売上が昨年6月から9ヶ月連続で前年割れとなっており、経済も停滞ムードが漂う中だが、連休期間中のパッケージツアー価格が通常時期より1-2割程度高めにも関わらず受け付け状況は好調とのこと。

なお、マカオから日本を訪れる旅客の団体と個人の比率は半々だという。また、大半がマカオ発の直行便を利用するが、より就航都市が多く、レガシーキャリアとLCC(格安航空会社)の選択肢も幅広い香港国際空港経由を選ぶ人もいるとのこと。

大手旅行代理店EGLツアーズの翁月容マカオ地区セネラルマネジャーによると、円安の進行により、特に日本への旅行を選択する人が多いという。同社では前年の同じ時期と比較して訪日旅客が1割程度増加しているという。マカオから日本を訪れるパッケージツアー価格は3泊4日あるいは4泊5日でおよそ6000〜1万パタカ(日本円換算:約9万〜15万円)で、昨年同時期とほぼ同水準とのこと。

清明節は「掃墓節」とも呼ばれ、先祖の墓を訪れて草むしりをするなど掃除をする日とされているが、今年はイースター休暇と合わせて長い休みとなることもあり、墓参りを済ませてから海外旅行へ出発する出かける時間的余裕があるようだ。

イースター連休にマカオ航空が運航するチャーター便を利用した長崎ツアーに夫婦で参加するという公務員の譚さんに話を聞くと、昨年末に和歌山の温泉とUSJを訪れるツアーに参加した際に日本をとても気に入ったので、今回また別の都市へ行ってみたいと思い申し込んだという。価格は1人あたり1万3000パタカ(約20万円)ほどで、他のツアーよりも少し高かったが、直行定期便が飛んでいない都市へ行ける貴重な機会なので「モーマンタイ(問題ない)」とのこと。マカオでも中国本土から日本を訪れる旅客が炊飯器やハイテク便座を買い漁っているというニュースを見聞きするが、マカオ人はそういったものに興味がなく、日本の消費者が普段から使っているような実用品をショッピングモールなどで購入したり、地元のお客が中心のレストランで新鮮な海や山の幸を味わう方が好みだという。

全日空とコードシェアを行うマカオ航空の東京(成田国際空港)直行便(資料写真)=マカオ国際空港—本紙撮影

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