マカオ政府、米国・カナダのビザ免除待遇熱望も実現せず
- 2015/3/30 18:18
- 社会・政治
マカオ政府身分証明局によると、同局が再三に渡って米国及びカナダに対して「中華人民共和国マカオ特別行政区パスポート(以下、マカオ特区パスポート)」をビザ免除プログラムの対象にするよう求めてきたというが、依然として全く前進が見られないという。
「マカオ特区パスポート」の表紙デザインは中国(本土)パスポートのデザインを踏襲しており、中国(本土)が赤、マカオは緑となっているほか、「マカオ特別行政区」という文字が付き、中国語とポルトガル語で併記されている点などが特徴。マカオパスポートはマカオ特別行政区の永久居留権を持つ中国籍の者が取得することができるもので、日本を含む世界114の国と地域でビザ免除またはアライバルビザ待遇を獲得するなど、中国(本土)パスポートとは異なる位置づけで運営されている。ちなみに、香港にもマカオ特区パスポート同様の表紙が紺色の香港特区パスポートが存在する。
マカオの政府系放送局TDMが3月30日朝のラジオニュースによると、身分証明局の歐陽瑜局長が米国側から得た報告の内容では、米国のビザ免除待遇の対象は「国家」であり、マカオのような「行政区域」は対象外であるとされたとのこと。また、マカオ特区パスポートによる米国及びカナダへの入国に必要なビザ申請に対する「却下率」が高く、両国がビザ免除待遇とする米国は却下率3%以下、カナダは同4%以下を3年継続するという要件に満たないことなどが挙げられていたという。
身分証明局では、ビザ免除待遇を勝ち取るためにはビザ申請の却下率を低下させる必要があり、マカオ特区パスポート保有者に対し、入国に際しビザ取得の必要がある国へ入国する際、当該国の要求に沿った家庭、就業状況などの情報を正確に申告するよう求めた。
なお、マカオにはポルトガルとの二重国籍者も多数おり、そのほとんどが個人でマカオ特別行政区パスポートとポルトガルパスポートを同時に保有している。両方のパスポートを持つマカオの人に話を聞くと、マカオ特区パスポートを使い米国や台湾へ渡航する際にビザが必要だが、ポルトガルパスポートなら米国、台湾ともにビザが不要なため、海外旅行の際はより便利なポルトガルパスポートを使うとしている。