中国版新幹線、珠海と北京・桂林結ぶ直通列車運行へ=マカオとのアクセス向上
- 2015/5/4 12:59
- 香港・大湾区
中国広東省の広州市とマカオに隣接する珠海市を結ぶ高速鉄道広珠インターシティ鉄道(広珠城軌)について、2012年末の全線開業以来初めてとなる他路線との直通運転を開始する見通しであることが明らかとなった。
現在、広珠インターシティ鉄道では、起点となる広州南駅と珠海駅の間での単純往復と、途中駅から分岐する支線との直通運転のみとなっている。広州南駅は中国主要都市との間を結ぶ高速鉄道のターミナル駅となっているが、他路線との乗り継ぎの手続きにおよそ1時間を要するなどの不便さが指摘されてきた。
マカオの日刊紙「澳門日報」が5月4日付紙面で報じた記事によると、広珠インターシティ鉄道を運営する広州鉄路が珠海市政府に対し、近日中にも珠海と首都の北京、広西チワン族自治区の桂林の間を結ぶ直通列車の運行をスタートするという内容の通知を行ったという。
広州鉄路の暫定プランでは、北京西駅と珠海駅の間に1往復を週4日(金・土・日・月)、桂林駅と珠海駅の間に昼行列車を毎日1往復運行するという。いずれも最高時速200キロメートル以上の中国版新幹線「CRH和諧号」車輌を用いた「D列車」とされる。また、北京と珠海を結ぶ直通列車は所要時間約12時間の夜行列車で、寝台車も併結され、途中駅の広州南、長沙南(湖南省)、石家荘(河北省)などでも乗降できる見通し。珠海と桂林の所要時間は約4時間。
広珠インターシティ鉄道の珠海駅はマカオとの玄関口にあたる拱北イミグレーション施設に隣接して建つことから、鉄道による中国本土各都市とのアクセス向上に対する期待も高い。拱北とマカオ側の關閘イミグレーションの間は徒歩で往来可能な陸路のボーダーとして知られる。
現在、香港(九龍)と北京、上海の間にそれぞれ隔日で直通夜行列車が運行している。