中国、6年ぶりたばこ増税=喫煙人口3億人、値上げによる抑制狙う

中国財政部と国家税務総局は5月8日、同月10日から紙巻きたばこの卸売過程における消費税率を5%から11%に増やし、1本あたり従量税についても0.005元(日本円換算:約0.1円)を上乗せするとした通知を公布した。

マカオの日刊紙「澳門日報」が新華社北京電(8日)を引用して報じた。たばこ消費税の増は2009年5月以来6年ぶりとなる。2009年の増税時には、たばこの輸入及び生産過程における従価税を種別によって45%から56%、30%から36%に増やすと同時に、紙巻きたばこの卸売過程における従価税5%を加えた。中国たばこ専売局筋によると、今回の増税後、紙巻きたばこの卸売価格は一律6%の値上げとなり、小売の粗利率が10%を下回らないとする原則に基づき、指導小売価格に転嫁される見通しという。

今回の増税目的は値上げによる喫煙人口の削減を狙ったものとされる。中国は、2005年に「たばこの規制に関する世界保健機関(WHO)枠組条約」締結国となって以降、喫煙抑制に取り組んできたというが、依然として3億人の喫煙人口がおり、15歳以上の成人喫煙率は28.1%、13〜18歳の青少年喫煙率についても11.5%と高い状態にあるとされる。

世界的に、最も効果的な喫煙抑制策はたばこ税と小売価格の値上げといわれる。小売価格を10%値上げすると、成人喫煙者の3.7%、青少年喫煙者の9.3%が喫煙を止めるとするWHOの研究データがあるという。

なお、統計によると、160万戸超のたばこ農家、520万店のたばこ小売業者がおり、全国でたばこの生産、販売などに携わる関係者は2000万人を越えるとい、今回のたばこ消費税率増に伴う小売価格の値上げにより、一定のマイナス影響を受けるものとみられる。

昨年(2014年)の中国におけるたばこ関連業界からの税収は9110.3億元(約17.6兆円)に上ったというデータがあり、今年は1兆元(約19.3兆円)の大台を突破するとの予測もあるとのこと。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  このほどマカオ政府財政局(DSF)が公表した最新統計によれば、今年(2024年)9月の住宅売買・…
  2.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)「ギャラクシーマカオ(澳門銀河)」運営会社は10月…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)「MGMマカオ」及び「MGMコタイ」を運営するMGMチャイナホール…
  4.  マカオ政府衛生局(SSM)は10月16日夜、マカオ域内で今年(2024年)12、13人目の輸入性…
  5.  マカオ消防局は10月16日に記者会見を開き、今年(2024年)1〜9月の消防関連統計データを公表…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年10月号
(vol.136)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun