低迷続くマカオのカジノ売上、来年には再浮上=IR施設建設ラッシュで、業界専門アナリスト予測
- 2015/5/20 20:48
- カジノ・IR
投資銀行大手のCLSAでアジア地区消費・ゲーミング(カジノ)業界研究を担当するアーロン・フィッシャー氏は5月19日、マカオで開催中の国際カジノ見本市「G2E(グローバル・ゲーミング・エキスポ)アジア」でスピーチを行い、今年(2015年)のマカオの通年カジノ売上は前年比26%減と予測しているものの、来年には反発に転じるだろうとの見方を明らかにした。
マカオのカジノ売上は昨年(2014年)6月から今年4月まで11ヶ月連続の前年割れ。昨年のマカオの通年カジノ売上は前年比2.6%減の3515.21億パタカ(約5兆3119億円)となり、今世紀初のマイナスを記録。今年1-4月の累計カジノ売上は前年同期比37.1%減。
フィシャー氏は、マカオのカジノ売上減の主要因として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出を指摘する。一方、今年から来年にかけてギャラクシーマカオ(第2フェーズ)、スタジオ・シティ、ウィンパレス、MGMコタイといった大型カジノIR(統合型リゾート)施設の開業ラッシュとなることから、来年の年間カジノ売上は9%増になると見込んでいるという。
マカオのカジノ売上低迷が長期化する中、シンガポールやフィリピンといったアジアの新興カジノ国に注目が集まっている。フィッシャー氏によると、カジノIR施設への総投資額で比較すると、マカオはこれまでに累計200億米ドル(約2兆4164億円)、今後3年以内に400億米ドル(約4兆8327億円)に達するのに対し、シンガポールは110億米ドル(約1兆3290億円)、フィリピンは50億米ドル(約6041億円)に満たないとし、ハード面でマカオが域内の競合国を圧倒しているとした。