香港・マカオ両政府「韓国への渡航自粛を」=警戒レベル相次ぎ引き上げ
- 2015/6/8 20:12
- 社会・政治
香港特別行政区政府は6月8日午後、韓国におけるMERS(中東呼吸器症候群)の感染拡大を受け、警戒レベルを「戒備(=警戒)」から「厳重(=深刻)」へ引き上げるとともに、「旅行健康アドバイス」を出した。
香港食品衛生局の高永文局長は「旅行健康アドバイス」の内容ついて、明確な脅威があるとする「赤色渡航警告」と類似したものとし、市民(特に老人及び抵抗力の弱い人)に対して、不要不急の韓国渡航を自粛するよう呼びかけた。また、近日、韓国においてMERSの3次感染者数が増加傾向にあること、これまで感染者が集中していたソウル市などから遠く離れたプサンでも感染者が見つかったことから、パンデミック状態となるリスクが高まっているとの見方を示した。
香港衛生署の陳漢儀署長によると、香港と韓国の間の1日あたり約5000人の往来があるという。今回の警戒レベルの引き上げ判断について、香港の医療システムが飽和状態に近い状態にあるためとしている。
また、マカオ衛生局の李展潤局長は同日午後6時に緊急記者会見を開き、MERSに対する警戒レベルを「戒備(=警戒)」から「高度戒備(=高度警戒)」に引き上げたことを明らかにした上、市民に対して韓国への渡航自粛を提案するとした。「高度戒備」は4段階ある警戒レベルうち2番目に高いものという。同局によると、毎日500〜700人が韓国からの直行便でマカオに到着するとのこと。
先月(5月)26日、MERS感染疑いのある44歳の韓国人男性(同月29日に感染確定)が韓国・ソウルから香港を経由して中国広東省恵州へ渡航した事案やこの男性と同じフライトに乗り合わせた密接接触者の韓国人女性2名の香港政府による隔離を拒否した問題などもあり、香港及び近隣地域のマカオでも衛生当局が中心となって水際対策の強化などを進めている。
(註:6月8日16時32分配信記事を加筆、修正した上で再配信しました)