マカオ衛生局、韓国人旅客全員に対する健康調査票提出義務化を決定=虚偽記載には罰則も、MERS水際対策一層強化
- 2015/6/14 9:11
- 社会・政治
韓国におけるMERS(中東呼吸器症候群)の感染拡大を受け、香港・マカオでは韓国への渡航自粛勧告を発出したほか、空港では韓国からの到着便搭乗者に対する体温計測体制を強化するなどの水際対策も進められている。
マカオ政府衛生局は6月13日、韓国からマカオへのMERS上陸を阻止を目的とした水際対策を一層強化すると発表。同日以降、空路、海路、陸路でマカオ入りする韓国パスポート保有者全員に対し、健康調査票(中国語正式名称:健康申報表)の記入、提出を義務化することを決めたという。
健康調査票には氏名、性別、年齢、職業、旅券番号、マカオまでの利用交通機関の詳細、マカオにおける滞在場所と電話番号のほか、過去2週間以内の渡航歴、発熱、咳、呼吸困難などの症状の有無を申告するもの。なお、マカオの伝染病予防法に基づき、虚偽記載については、最高6ヶ月の懲役などの罰則規定がある。
また、マカオ衛生局では、MERSと疑われる症状が出た場合の対処法などをまとめたチラシを制作し、マカオ警察当局の協力を得て韓国人旅客に対して配布を行うとしている。
世界遺産、カジノ、食文化といった独特の見どころを有するマカオは年間およそ3150万人(のべ、2014年実績)の旅客が訪れるアジア有数の観光都市として知られる。大中華圏と呼ばれる中国本土、香港、台湾からの旅客が大半を占めるが、それに次いで多いのが韓国だ。
マカオを訪れる韓国人旅客は近年増加傾向にあり、昨年(2014年)は前年比16.9%増の約55万人、今年1〜4月累計では前年同期比12.7%増の約21万人に達している。