駐在員にとってアジアで最も物価が高い都市は「香港」=2015年世界生計費調査

組織・人事コンサルティングサービス世界大手のマーサーは6月17日、海外駐在員の生活物価比較調査として知られる「2015年世界生計費調査」を発表した。

同調査は今年で21年目を迎え、世界で最も包括的な生計費調査の1つとして、多国籍企業や政府機関が海外駐在員の報酬及び手当を設定する際に利用されているものという。ランキングは米国ニューヨークをベースとし、ニューヨークを100とした場合の各都市の指数を比較したもので、基軸通貨は米ドルとなっている。調査は、5大陸207都市において住居費、交通費、食料、衣料、家庭用品、娯楽費用などを含む200品目以上の価格を調査し、それぞれを比較している。

今回の調査で明らかになった海外駐在員にとって最も物価が高い都市ランキングの上位は下記の通り。
※今回順位(前回順位)都市名(国名)
1位(1位) ルアンダ(アンゴラ)
2位(3位) 香港(中国・香港特別行政区)
3位(5位) チューリッヒ(スイス)
4位(4位) シンガポール(シンガポール)
5位(6位) ジュネーブ(スイス)
6位(10位) 上海(中国)
7位(11位) 北京(中国)
8位(14位) ソウル(韓国)
9位(8位) ベルン(スイス)
10位(3位) ンジャメナ(チャド)
11位(7位) 東京(日本)

ともにアフリアの発展途上国の首都にあたるルアンダとンジャメナについては、相対的に物価が安い都市と言われているが、輸入品や安全な住環境の利用は非常に高価であるという。また、大きく円安に振れた為替レートの影響を受け、日本の各都市がトップ10圏外まで大きく順位を下げる結果となった。昨年の調査では東京は7位だった。

一方、海外駐在員にとって最も物価が低い都市は、中央アジア・キルギスのビシュケク(207位)、アフリカ・ナミビアのウィントフック(206位)、南アジア・パキスタンのカラチ(205位)。

香港の日刊紙「アップルデイリー」が6月17日付電子版に掲載した同調査結果からの抜粋記事によると、香港と欧米主要都市の物価では下記のような開きが見受けられたという。なお、香港ドルの為替は米ドルと連動している。(カッコ内は日本円換算)

■ファストフード店のハンバーガー平均価格
・香港:4.75米ドル(約590円)
・ロンドン:6.72米ドル(約830円)
・ニューヨーク:7.93米ドル(約980円)

■ジーンズ平均価格
・香港:128.82米ドル(約1万5930円)
・ロンドン:114.82米ドル(約1万4200円)
・ニューヨーク:57.92米ドル(約7160円)

■テイクアウトコーヒー平均価格
・香港:7.80米ドル(約960円)
・ロンドン:3.83米ドル(約470円)
・ニューヨーク:3.00米ドル(約370円)

香港の町並み。九龍半島の尖沙咀からヴィクトリアハーバー、香港島のセントラルを望む(資料)—本紙撮影

香港の町並み。九龍半島の尖沙咀からヴィクトリアハーバー、香港島のセントラルを望む(資料)—本紙撮影

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