マカオ、カジノ売上低迷で犯罪増?=警察当局「因果関係判断は時期尚早」

マカオ経済の屋台骨となるカジノ産業。昨年(2014年)は、実に歳入のおよそ8割(2014年実績)をカジノ税収が占めた。しかし、昨年6月から今年5月まで、マカオのカジノ売上は12ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長引いている状況だ。

マカオ社会では、カジノ売上の低迷に伴い、カジノ関連犯罪が増えているのではないかという懸念も広がっている。昨今、マカオの地元紙にはカジノ高利貸しから賭博の資金を借り入れた債務者が返済不能に陥り監禁されたなどの事件報道も目立つ。

マカオ司法警察局の周偉光局長は6月17日の会見で、昨年通年のカジノ関連犯罪の立件数が前年比14%増の3023件に上り、このうち「他人の自由を束縛する行為(=監禁等)」が71件、「高利貸し」が206件含まれ、いずれも前年から増加したことを明らかにした。

周局長は、カジノ関連犯罪そのものが増えていることは認めたものの、被害者からの通報増、それに対する警察による介入及び検挙活動強化によるもので、今の段階でカジノ売上低迷が犯罪増と直接の因果関係があると判断するには時期尚早であるとの考えを示した。

司法警察局では、大型カジノIR施設が密集するコタイ地区の所轄署におけるカジノ関連犯罪専門捜査チームの増員を行い、より機動的な対応を行うとしている。

マカオのカジノ(イメージ)—本紙撮影

マカオのカジノ(イメージ)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun