中国広東省で治療受けていた韓国人MERS感染者が退院、帰国=約1ヶ月ぶり
- 2015/6/27 9:08
- 香港・大湾区
先月(5月)末、44歳の韓国人の男性がMERS感染疑いを隠して韓国から香港経由で中国・広東省へ渡航し、その後、体調を不良を訴えて搬送された現地の病院が実施した検査で感染が確定した事件は記憶に新しい。この男性は、広東省恵州市の医療機関で入院治療を受けてきたが、6月26日に退院し、同日帰国したという。
マカオの日刊紙「澳門日報」が6月27日付紙面で報じた内容によると、広東省衛生・計画生育局が26日、この韓国人男性キム氏について、10日以上発熱や臨床症状が見受けられなかったことから、同日退院し、帰国したことを明らかにしたという。
同局では、直近1週間から10日間で実施した血液、痰、糞便検査の結果、キム氏の体内にMERSウイルスは見当たらないとしたが、肺に軽度の炎症が見受けられるため、退院後も継続治療が必要であるとしている。
退院時、キム氏は微笑みを絶やさず、精神状態も良好の様子だったとのこと。駐広州韓国総領事館は、中国側が積極的に患者の治療に当たった対して感謝の意を表明したという。
なお、キム氏の治療及び同氏の密接接触者、医療スタッフの防疫対策に多額の費用がかかったとされる点について、恵州市政府がおよそ800万人民元(日本円換算:約1億5960万円)をあてがったといい、キム氏本人負担はそれほど高額ではなかったとのこと。
中国のネット上では、対処費用を中国側が肩代わりすることになったことについて、患者本人の自己責任及び韓国政府の防疫体制の不備を指摘する意見も多く見受けられる。