マカオ、たばこ値上げと免税持ち込み範囲縮小を同時実施=14日0時から

マカオでは7月14日午前0時からたばこ消費税の増税に伴うたばこ製品の小売価格の値上げ及び海外からのたばこ製品の免税持ち込み範囲の縮小が同時に実施される。

紙巻きたばこの消費税は現行の1本あたり0.5パタカ(日本円換算:約7.7円)から1.5パタカ(約23円)となり、1箱(20本入り)で20パタカ(約309円)の大幅値上げだ。現在、マカオにおける「マールボロ」及び「メビウス」といった主要たばこ銘柄の小売価格は1箱30パタカ(約464円)だが、これらが50パタカ(約773円)となる。

その他たばこ製品も増税対象で、改正後の消費税額は刻みたばこが1キログラムあたり600パタカ(約9274円)、葉巻が同4326パタカ(約6万6865円)となる。

海外からのたばこ製品の免税持ち込み範囲については、紙巻きたばこを現状の100本(5箱)から19本、葉巻を10本から1本、刻みたばこは100グラムから25グラムとする大幅な制限強化となる。すでに香港で2010年8月1日から実施されている基準とほぼ同水準。

マカオの政府系放送局TDMが7月13日午前から午後にかけてラジオニュースで報じた内容によると、増税を前に、たばこ製品の買いだめが進んでおり、マカオ市内では人気ブランドの商品が手に入りにくい状態となっているほか、マカオと中国本土の陸路のボーダーゲート内にある免税店にも客が次々と押し寄せているという。

また、澳門海關(マカオ税関)は免税範囲を超えるたばこ製品の持ち込みについて、すでに検査体制の強化を行っているとのこと。中国本土とマカオを結ぶ最大の陸路ルートとなる關閘ボーダーゲートを管轄するマカオ税関の担当官によると、これまで税関検査で発見される無申告の免税範囲超過量は1日あたり紙巻きたばこ900本(45箱分)だったが、直近3日間では3500本(175箱分)にまで急増しているそうだ。

税関当局では、免税持ち込み範囲の縮小実施後、税関検査場の手前に廃棄ボックスを設ける予定という。仮に税関検査で無申告の免税範囲超過が発覚した場合、対外貿易法に基づき対処するとし、当該商品を没収した上、5000パタカ(約7万7276円)以上の罰金を科すとした。

香港、マカオともに紙巻きたばこの免税持ち込み範囲が1箱未満となり、たばこを携行して渡航を予定している愛煙家の方々は注意が必要となる。

なお、マカオ政府は増税に踏み切った理由として、「たばこ税の占める割合を小売価格の7割以上とする世界保健機関(WTO)の推奨基準に合致させるため」と説明している。たばこ製品の値上げにより、喫煙人口の減少及び青少年による試し買いの抑止といった効果が期待できることなど、健康面のメリットを強調している。マカオはカジノ税という潤沢な財源を持つため、歳入増を目的とするたばこ増税の必要性は全くないというのが現状だ。

マカオ税関は無申告の免税範囲を超えるたばこの持ち込みに対する検査を強化している(資料)=2015年2月(写真:澳門海關)

マカオ税関は無申告の免税範囲を超えるたばこの持ち込みに対する検査を強化している(資料)=2015年2月(写真:澳門海關)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオで無資格にも関わらず薬剤の注射による美容医療行為に従事したとし…
  2.  マカオ政府統計・センサス局は9月6日、今年(2024年)5〜7月期の住宅価格指数を公表。 …
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  マカオの多くのカジノ施設が航空会社のマイレージ制度と似た会員プログラムを提供しており、入会するこ…
  5.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして20代…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun