マカオ全体の月次カジノ売上は、昨年(2014年)6月から今年6月まで13ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。今年上半期(1〜6月)の累計カジノ売上は前年同期比37.0%減。マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。
マカオ政府財政局が公表している統計資料によると、今年上半期の財政収支は252.1億パタカ(日本円換算:約3921億円)の黒字となったが、6月単月の歳入は87.1億パタカ(約1355億円)、歳出は87.8億パタカ(約1366億円)で、単月7000万パタカ(約11億円)の赤字を記録した。6月のカジノ売上が2010年11月以来の最低となる173.5億パタカ(約2699億円)だったことから、カジノ税収が落ち込んだことが理由として挙げられる。マカオの歳入のおよそ8割をカジノ税が占め、税率は約40%だ。
なお、上半期の財政収支は252.1億パタカあるが、昨今のカジノ売上低迷長期化を受け、前年同期比では58.3%の大幅マイナスとなっている。
一方、マカオ特別行政区の財政準備資産は今年5月末時点で前年末から42%増となる3496億パタカ(約5兆4393億円)に達しており、今年度予算における総歳出の実に4年分にも相当する潤沢な「貯金」を抱えている。