マカオのレジャー大手、マカオレジェンドディベロップメント(勵駿創建)は7月22日にマカオで会見を行い、2つの子会社を通じて北アフリカ西沖合にある島嶼国家カーボベルデ共和国におけるカジノIR(統合型リゾート)開発契約を締結ことを発表した。
マカオレジェンドディベロップメントはマカオフィッシャーマンズワーフやランドマークホテルを運営するほか、マカオのカジノ経営ライセンスを有する6社の一角に当たるSJM社のライセンスの下、フランチャイズ方式でファラオズパレスカジノとバビロンカジノを運営している。
会見にはマカオレジェンドディベロップメント社の周錦輝(デイヴィット・チャオ)会長、中国中央政府のマカオ出先機関にあたる中連弁関係者、マカオ特別行政区政府の崔世安(フェルナンド・チュイ)行政長官、梁維特(ライオネル・リョン)経済財政庁、ジュリオ・モライス駐中国カーボベルデ共和国大使、カーボベルデ共和国ラファエル・フェルナンデス観光・投資・工業開発大臣らが登壇した。
マカオレジェンドディベロップメント社の発表によると、同社グループはカーボベルデの首都プライアとサンタ・マリア島に総面積15.27万平米のIR施設を建設する。プロジェクト投資額は2.5億ユーロ(日本円換算:約340億円)、速やかに着工し、3年以内の落成を目指すとしている。
ジュリオ・モライス大使によると、今回のプロジェクトはカーボベルデ史上最大の企業投資案件になるとのこと。同国政府はマカオレジェンドディベロップメントグループ企業に25年間のカジノ経営権を与えたことも明らかにした。
マカオレジェンドディベロップメントでは、開業時のカジノテーブル数を30から40台程度とし、スロットマシンやライブマルチゲーミング機器も導入するとした。およそ5年で投資を回収する計画という。また、カジノ税については、マスゲーミング(平場)部門が10%、VIPルームが7.5%だといい、同社ではマスをメインターゲットとして想定しているとした。
カーボベルデ共和国のレオネーザ・フォルテ観光・投資・工業開発大臣は、IR施設のオープンをきっかけに、毎年100万人の中国人観光客の受け入れを目標としていると語っている。
カーボベルデは元ポルトガル植民地。昨今、中国は国策としてマカオをハブにしたポルトガル語圏諸国との関係強化を打ち出している。会見に中連弁、マカオ行政長官、マカオ政府高官らが出席したことなど、今回のプロジェクトに対する期待の高さを現しているといえる。