マカオ・コタイ地区で建設が進む大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ」の開業予定日が今年(2015年)10月27日に決まった。
施設の運営会社でマカオのカジノ経営ライセンスを保有する6社の一角にあたるメルコ・クラウン・エンターテインメント(以下、MCE)が8月5日午後に開催した記者会見で明らかにした。また、同日、メディアに対して建設現場を公開している。
スタジオ・シティはハリウッド映画をテーマとした大型IR施設で、カジノ、ホテル、ショッピングモール、多目的アリーナのほか、世界初の8の字型観覧車「ゴールデン・リール」、バットマンをテーマにしたアトラクション「バットマン・ダーク・フライト」、世界的イリュージョニストとして知られるフランツ・ハラレー氏プロデュースの常設型マジックアトラクション「ザ・ハウス・オブ・マジック」など、ファミリー向けレジャー・エンターテイメント要素を多数盛り込んでいるのが特徴的。山本秀正シェフプロデュースの日本料理レストラン「HIDE YAMAMOTO(ヒデ ヤマモト)」も進出するという。プロジェクト総工費は32億米ドル(日本円換算:約3981億円)に上る。
MCEのローレンス・ホー共同会長兼CEOは記者会見の中で「スタジオ・シティの開幕により、レジャー・エンターテインメント・リゾートとしてのマカオの魅力をかつてないレベルに引き上げることができる」と抱負を語り、カジノ一辺倒からの脱却を目指す政府の方針に沿った「新しいマカオ像」を具現化する存在であることを強調している。
MCEはマカオでシティ・オブ・ドリームズ マカオとアルティラ マカオという2つのIR、スロットマシン専門カジノチェーンのモカ・クラブを運営するほか、昨年末フィリピン・マニラで大型IRシティ・オブ・ドリームズ マニラをオープンさせている。なお、同社は日本でカジノが解禁された場合、日本市場への進出する意向があることを以前から明確に打ち出している。
コタイ地区はIR集積エリアとして再開発された埋立地で、今後2017年頃までカジノ運経営ライセンス保有6社を中心とした大型IRのオープンラッシュが続く見通し。