マカオカジノ大手MCE大幅減収減益=15年第2四半期業績、カジノ市場低迷受け
- 2015/8/7 8:39
- カジノ・IR
マカオのカジノ売上が昨年(2014年)6月から今年7月まで14ヶ月連続で前年割れを記録するなど、市場の低迷が長期化している。今年1〜7月の累計カジノ売上は1402.59億パタカ(日本円換算:約2兆1914億円)で、前年同期比36.7%減。
マカオのカジノ経営ライセンスを保有する6陣営の一角、メルコ・クラウン・エンターテインメント社(以下、MCE)は8月6日、今年(2015年)第2四半期(4〜6月)業績を発表した。売上は前年同期比24%減の9.168億米ドル(約1144億円)、調整後EBITDAは同35%減の2.049億米ドル(約256億円)。
MCEはマカオでシティ・オブ・ドリームズ マカオとアルティラ マカオという2つのIR(統合型リゾート)、スロットマシン専門カジノチェーンのモカ・クラブを運営するほか、昨年末フィリピンで大型IRシティオブドリームズマニラをオープンさせている。
第2四半期の減収要因として、マカオのカジノ施設におけるVIPルームのローリングチップ及びマス(平場)フロアの売上がいずれも減少したことを挙げた。マカオのマイナスの一部をシティ・オブ・ドリームズ マニラの売上が相殺したという。
米国会計基準による第2四半期のMCEに帰属する純利益は前年同期比83%減の0.243億米ドル(約30億円)にとどまっている。なお、非支配持分の純損失0.300億米ドル(約37億円)については、マカオ・コタイ地区で開発を進める大型IRスタジオ・シティとフィリピンのシティ・オブ・ドリームズ マニラに関連するものとのこと。
MCEは、8月5日記者会見を行い、総投資額32億米ドル(約3991億円)に上るスタジオ・シティの開幕予定日を今年10月27日と発表済み。同社のローレンス・ホー共同会長兼CEOは記者会見の中で「スタジオ・シティの開幕により、レジャー・エンターテインメント・リゾートとしてのマカオの魅力をかつてないレベルに引き上げることができる」と抱負を語り、カジノ一辺倒からの脱却を目指す政府の方針に沿った「新しいマカオ像」を具現化する存在であることを強調している。