日本製の鯨肉カレー缶詰を販売していたとしてネット上を中心に絶滅危機動植物種保護条例違反を指摘されていた香港の日本輸入食品小売チェーン「759阿信屋」は8月20日、公式フェイスブックページに謝罪を掲載し、当該商品を回収したことを明らかにした。
759阿信屋は日本輸入小売店を中心に飲食店、雑貨店など、香港で約250店舗を展開する大手とあり注目度も高く、香港主要紙が一斉に詳細を報じた。
同社の発表及び香港メディアの報道を総合すると、今回の鯨肉カレー缶詰の販売は酒の肴の充実を図るテストマーケティングの位置づけで一部店舗に限定して少量を販売する計画だったという。日本側の購買担当者が香港の絶滅危機動植物種保護条例の存在を知らずに発注し、香港側でのチェックも素通りしてしまったと確認ミスを認めた。当該商品の入荷量は240缶で、このうち7缶が販売済みとのこと。販売価格は1缶あたり39.9香港ドルだった。在庫品については21日にも香港当局による封鎖が予定されているという。
同社は、絶滅危機動植物の保護に対する重要性を尊重、理解するとして回収を行うとともに、購買担当者への確認強化を指示し、同じことを二度と繰り返さないとしている。
鯨肉は香港の絶滅危機動植物種保護条例で輸出入禁制品の1つに挙げられており、違反した場合の最高量刑は罰金500万香港ドル(日本円換算:約7930万円)及び禁錮2年となっている。なお、お土産など個人使用目的であっても適用されるといい、日本で購入した鯨肉関連商品を香港に持ち込むことはできないとのこと。