マカオを訪れる中国本土旅客、財布の紐堅く=平均消費額2割超下落、15年第2四半期

昨今、日本を訪れる中国本土旅客による「爆買い」による経済効果が話題になっているが、一方でマカオを訪れる中国本土旅客の財布の紐は堅くなっている現状が明らかとなった。

マカオ政府統計調査局が8月25日に発表した今年(2015年)第2四半期の旅客消費調査結果によると、訪マカオ旅客の消費総額(ギャンブルを除く)は前年同期比24.7%減、第1四半期比8.3%減の122.5億パタカ(日本円換算:約1841億円)、1人あたり平均では22.1%減となる1668パタカ(約2万5068円)となった。

特に、マカオを訪れる旅客のおよそ7割を占める中国本土旅客による消費額の落ち込みが目立った。中国本土旅客の1人あたり平均消費額は前年同期比24.3%減となる2012パタカ(約3万238円)、個人旅行客に限ると14.9%減の2530パタカ(約3万8023円)だった。出身地別で中国本土に次いで1人あたり平均消費額が大きかったのはシンガポールの1741パタカ(約2万6165円)、日本の1543パタカ(約2万3189円)だが、それぞれ6.7%、23.9%の減。

消費の内訳では、ショッピングが45.1%、宿泊が24.9%、飲食が21.7%。1人あたり平均ショッピング消費は28.4%減の751パタカ(約1万1283円)で、銘菓などの食品系お土産の28.4%とコスメティック雑貨及び香水の21.9%で約半数を占めた。中国本土旅客の1人当たり平均ショッピング消費額は1064パタカ(約1万5986円)、個人旅行客に限ると1599パタカ(約2万4024円)。

これまで増加傾向が続いてきた訪マカオ旅客数についてもマイナスに転じている。今年上半期(1〜6月)の累計訪マカオ旅客総数は前年同期比3.5%減の1528万3847人で、このうち中国本土旅客は4.2%減の1021万4304人となっている。

中国本土旅客への依存度が高いマカオのカジノ売上についても、昨年6月から今年7月まで14ヶ月連続で前年割れが続いている。

昨今、相次ぐ人民元の切り下げや軟調な中国株式市場の影響を受け、今後中国本土旅客の消費がさらに縮小することも予想される。

マカオのIR(統合型リゾート)併設のショッピングモール(資料写真)—本紙撮影

マカオのIR(統合型リゾート)併設のショッピングモール(資料写真)—本紙撮影

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