マカオ航空へサービス改善求める声=イメージダウン懸念、地元議員が政府の関与促す

マカオのフラッグシップキャリアにあたるマカオ航空だが、利用者の評判は決して芳しくないようだ。

マカオの政府系放送局TDMが8月31日午前のラジオニュースで報じた内容によると、マカオ立法会議員の施家倫氏が、政府とマカオ航空の経営権契約においてどのような監察の仕組みがあるのか、また、今後どのようにサービス改善を促していくのかについて、書面で説明を求めたという。

施議員は、マカオ航空はマカオのイメージを代表する存在であるにもかかわらず、長期に渡ってサービス品質が低水準にあるとし、大株主の1つであるマカオ政府に対し、政府が目標として掲げる世界的レジャー・リゾートセンターを目指すのであれば、それにふさわしいものに改善すべきと指摘しているとのこと。

マカオ航空は、中国4大航空会社の一角にあたるエアチャイナが7割弱、マカオ特別行政区政府が2割強の株を保有する。現在、マカオ〜日本(東京・成田及び大阪・関西)間の直行定期便を運航する唯一の航空会社で、全日空とコードシェアやマイレージサービスで提携している。

マカオ航空をめぐっては、遅延が多いというイメージに加え、座席に個人用モニタが設置されていないといった設備面での不満の声なども聞かれる。

マカオは21世紀に入って以降、カジノ経営ライセンスの対外開放とIR(統合型リゾート)の相次ぐオープン、マカオ歴史市街地区のユネスコ世界文化遺産リスト登録などを受け、観光客が急増。かつてないスピードで経済発展を遂げる中、ハードと比較してソフトが追いついていないと指摘されることも多い。サービス品質の改善は、今回たまたま名指しされる形となったマカオ航空だけでなく、広くマカオの事業者、社会が抱える課題といえる。

マカオ国際空港に駐機するマカオ航空機(資料)—本紙撮影

マカオ国際空港に駐機するマカオ航空機(資料)—本紙撮影

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