マカオ・コタイ地区で建設が進む新規大型IR「スタジオ・シティ」について、今年(2015年)10月27日の開幕が近づく中、施設概要の発表が相次ぎ、徐々に全貌が明らかになりつつある。
運営会社スタジオ・シティ・インターナショナル・ホールディングスの親会社にあたるメルコ・クラウン・エンターテインメントは9月8日、リゾートに併設する多目的アリーナ施設「スタジオ・シティ・イベント・センター(略称:SCEC)」の概要を発表した。
発表会には香港スターのアーロン・クオック(郭富城)さんが出席し、11月7日に開催する自身のコンサートがこけら落とし公演となる事を明らかにした。
SCECの座席数は5000席で、豪華プライベートルーム16室、VIP席242席、VIPラウンジを備える。コンサートや授賞式のほか、バスケットボール、テニス、格闘技等のスポーツイベントにも適合しているとのこと。また、シアター並みの音響システムを採用し、専門コントロール室、衛星中継インフラも完備するという。
スタジオ・シティはハリウッド映画をテーマとした大型IRで、カジノ、ホテル、ショッピングモール、多目的アリーナのほか、世界初の8の字型観覧車「ゴールデン・リール」、バットマンをテーマにしたアトラクション「バットマン・ダーク・フライト」、世界的イリュージョニストとして知られるフランツ・ハラレー氏プロデュースの常設型マジックアトラクション「ザ・ハウス・オブ・マジック」など、ファミリー向けレジャー・エンターテイメント要素を多数盛り込んでいるのが特徴的。プロジェクト総工費は32億米ドル(日本円換算:約3846億円)に上るという。
昨今、マカオのカジノ売上に占めるVIPルームとマス(平場)の比率が拮抗するなど、市場が大きな変化を遂げる中で開業を迎えることになるスタジオ・シティだが、レジャー・エンターテインメント要素を多く盛り込んだマスをメインターゲットとの位置付けで、新時代の象徴的存在としてマカオ内外で大きな注目を集めている。