香港ディズニーランド開園10周年、入場者数とEVAで試算下回る、入園料は7割上昇=第2パーク計画も

香港ディズニーランドが今週末(9月12日)に開園10周年を迎える。しかしながら、これまでの道のりは決して順風満帆ではなかったようだ。

香港ディズニーランド・リゾートは、積極的な誘致活動を展開した香港政府と米国ディズニー社との間で1999年にパーク建設契約を締結。その後、2005年9月12日、香港国際空港に近い香港郊外のランタオ島で正式開業するに至った。香港政府が約半分を出資している。

香港の日刊紙アップルデイリーが9月9日付電子版に掲載した香港ディズニーランド開園10周年を振り返る連載記事によると、リゾートの総面積は126ヘクタールで、このうち72ヘクタール分がパーク用地というが、これまでに開発を終えた面積は27.5ヘクタールに過ぎないという。

また、開園後9年間のパーク入場者数は5180万人で、1999年に試算された6117万人との比較で15.3%不足しているとのこと。各年度でも未達が続き、特に2008年は試算の約7割の460万人となり、最も乖離が大きかったという。パークが9年間でもたらした経済的付加価値(EVA)についても、試算から1割近いマイナスとなる651億香港ドル(約1兆127億円)だったという。

香港政府がこれまでに投資した金額は約266億香港ドル(約4138億円)といい、人口で割ると1人あたり負担は約3700香港ドル(約5万7556円)にも達する。開園から6年間は赤字が続き、2012年になってようやく1.09億香港ドル(約16億9556万円)の単年度黒字化を達成。2014年の黒字は3.32億香港ドル(約51億6479億円)に達したものの、拡張工事など再投資に充当する必要があるため、大株主の香港政府は全く投資益を得られていないという。なお、米ディズニー社も投資分のリターンを得られていない状況は香港政府と同じというが、金額未公表の特許料やEBITDAの6.5%に相当する管理費を受け取っているとのこと。

ちなみに、入園料は開園当初の295香港ドル(日本円換算:4589円)から4回の改定を経て現在は499香港ドル(約7763円)。10年間で約7割の上昇となった。

目下、香港ディズニーランド・リゾートでは、リゾート内3軒目となる新ホテル(2017年開業予定)の建設、パークの「トゥモローランド」内にアイアンマンをテーマにした新アトラクション(2016年末稼働予定)の建設が進められているほか、既存パークの隣接地に第2パークを建設する計画もあるという。

香港ディズニーランド・リゾートは中国本土旅客に対する依存度が高いとされるが、2016年にも上海ディズニーランドが開園を予定しており、今後の動向に注目が集まっている。

香港ディズニーランド・リゾートへ向かう鉄道の案内板(イメージ)=香港・MTR欣澳駅

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