X’mas商戦楽観、本土経済成長鈍化の影響少

12月に入り約10日が経過したが、現時点で消費者の財布の紐はまだ固いようだ。リテールショップへのインタビューによると、中国本土経済成長が鈍化する中、昨年と比較して消費ペースは遅いとのこと。しかし、マカオへの入境旅客数は増加していることから、クリスマスへ商戦の期待が高まる。

先週末の人出は多く、セールが始まった秋冬物の販売も小幅ながら好調で楽観的との回答もあった。11日付の地元有力紙「澳門日報」が報じた。

クリスマスが近づき、セナド広場周辺のショップは数々のプロモーションを用意し、ビジネスチャンスをうかがう。すでに30~40%オフの商品も随所に見られ、いわゆる「水貨品」とよばれる日常品などを買い求める観光客が目につく。

ブランド靴店の店長によると、先週末の三連休は通常と比べて人出が1~2割増だったという。12月から値下げ幅を拡大し、大部分の秋冬物シューズを最大40%オフにしたところ好評だったという。実に顧客の9割を中国本土からの観光客が占め、1人当たり消費額は約2,500~5,000パタカ、同時に複数購入する顧客もいる。売り上げは伸びており、クリスマスに向けて楽観ムードが漂う。

2012マカオショッピングフェスティバルに参加する時計店では、12月1日にフェスがスタートした後も、昨年と比較して消費は伸びていないという。先日の三連休についても地元の顧客は少なく、売れ行きは4,000~5,000パタカの標準的な価格商品が主だったが、中国本土からの顧客は高価格帯商品を選ぶ傾向にあるという。多くの時計ブランドは昨年並みの価格設定で、スイス系が3~5%ほど値上げしているが、クリスマスに向けて期待が持てるとの見通し。

聖ポール大聖堂近くの土産店店主によると、毎週金、土、日の売上は平日と比較して2~3割増。先日の3連休については、3日目まで週末の勢いを持続できなかったという。中国本土の成長率が鈍化しているが、一般商品への影響は少なく、かつ入境旅客数は増加しているため、昨年よりも一層の売上上乗せを期待している。

中国内地の経済成長鈍化に伴う消費動向に注目しながらも、マカオのリテール現場では今年のクリスマス商戦について比較的楽観的な見方が大勢のようだ。

クリスマス商戦はこれから本番。写真はセナド広場(資料)―本紙撮影

クリスマス商戦はこれから本番。写真はセナド広場(資料)―本紙撮影

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