マカオ政府財政局は9月14日、今年(2015年)1〜8月累計の財政収支を公表。昨今のカジノ売上低迷により、歳入の大半を占めるカジノ税収が大幅に落ち込んだことを受け、財政黒字は前年同期から60.2%の大幅減となった。
1〜8月の累計で、歳入は前年同期比32.3%減の727.05億パタカ(日本円換算:約1兆965億円)、年度(1〜12月)予算執行率は68.1%。このうち、カジノ税収は35.5%減の585.89億パタカ(約8836億円)で、達成率は68.2%。歳入に占めるカジノ税の割合は実に80.6%に達した。
一方、歳出については25.5%増の438.42億パタカ(約6612億円)に膨らんでいる。歳出のうち、投資計画充当分が67.8%増の20.17億パタカ(約304億円)と増加幅が大きかったが、年度予算執行率は13.7%にとどまっている。
財政収支は288.63億パタカ(約4353億円)のプラスだが、黒字幅は60.2%の大幅減となった。ただし、すでに通年予算を53.5%超過している。
マカオ全体の月次カジノ売上は、昨年6月から今年8月まで15ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。今年1〜8月の累計カジノ売上は36.5%減の1588.82億パタカ(約2兆3965億円)。なお、9月1日の8月カジノ売上実績公表後、マカオ政府は今年度財政予算で掲げた月次平均カジノ売上を200億パタカ(約3017億円)を下回ったことから、同日より緊縮財政入りすることを明らかにした。
マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。