マカオといえば、やはりカジノを連想する人がほとんどだろう。マカオ政府の歳入のおよそ8割をカジノ税が占め、就業人口の5人に1人がカジノ業従事者という統計もあり、経済の屋台骨といえる存在だ。一方で、カジノ産業への過度な依存を憂慮する声もある。
昨今、マカオのカジノ売上の低迷長期化を受け、政府はカジノ一辺倒からの脱却を目指すべく、産業の多角化を模索する動きを活発化させている。
マカオの日刊英字経済紙マカオ・ビジネス・デイリーが近日掲載した元マカオ金融管理局行政委員会委員のジョゼ・フェリクス・ポンテス氏へのインタビュー記事によると、同氏は「マカオ経済・金融のカジノ依存は今後何十年にもわたって続くだろう」との予測を示したという。また、政府が模索する産業多角化については、「目的達成は可能だが、あくまで中長期的な見通しに限られる」とのこと。
マカオ全体の月次カジノ売上は、昨年6月から今年8月まで15ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。今年1〜8月の累計カジノ売上は36.5%減の1588.82億パタカ(日本円換算:約2兆3965億円)、カジノ税収は35.5%減の585.89億パタカ(約8836億円)。