マカオの中学生3500人が中国人民解放軍キャンプ参加=愛国教育の一環、抗日戦勝70周年要素も盛り込む
- 2015/9/26 11:53
- 社会・政治
今年で8年目を迎えるマカオの中学2年生を対象とした「国防教育キャンプ」が9月21日から中国広東省中山市にある中国人民解放軍国防教育訓練基地でスタートした。2016年5月まで、5泊6日のプログラムを複数回に分けて開催する。
国防教育キャンプはマカオ政府教育・青年局が主催、マカオスカウト総会の協力の下、愛国情緒の増進を目的に実施されているもので、座学の国防教育のほか、行進、体育、軍事技能、救命、自己管理などを通じ、学生の国家及び人民解放軍への理解、国防意識と規律の向上、精神の鍛練など図るというもの。
なお、今年は中国の「抗(日)戦(争)勝利70周年」にあたることから、中国近代史への理解を深める抗戦勝利70周年講座が追加されるとのこと。
9月25日に教育・青年局が発表したプレスリリースによると、国防教育キャンプのこれまでの累計参加学生数は2万8000人超、今年度はマカオの29の学校から3500人の学生が参加を予定しているという。
中国人民解放軍は1997年7月1日の香港返還、1999年12月20日のマカオ返還を機にそれぞれ当地へ進駐している。人民解放軍の香港・マカオへの進駐について、住民の受け止め方はそれぞれだが、日常生活の中で人民解放軍の存在を意識することはほとんどないというのが現状。駐屯地の一般開放イベント、青少年向けキャンプ、公益活動等を通じ、しばしば地元住民との交流の機会が持たれている。
なお、中華人民共和国兵役法は香港・マカオを対象外としており、香港・マカオ居留権保有者は中国籍であっても人民解放軍に入隊することはできない。