マカオの大型IRに「敷居が低い」新タイプのVIPルーム登場=ギャラクシーマカオ内
- 2015/9/29 20:29
- カジノ・IR
マカオのカジノVIPルームといえば、高額の賭け金が飛び交う怪しげな世界というイメージで語られることがほとんどだ。一般的に会員専用となっており、入会方法や入会に必要なフロントマネーの金額が公開される機会も少なく、謎のベールに包まれた極めて敷居の高い存在といえる。
マカオ唯一の日系ホテルとして知られるホテルオークラマカオも入るコタイ地区の大型IR(統合型リゾート)ギャラクシーマカオ内に9月29日、新タイプともいえる直営のVIPルーム「パビリオンVIPルーム」がオープン。記念セレモニーに続き、こういった施設では異例となる地元メディアへの内部公開も行われた。
パビリオンVIPルームは、ギャラクシーマカオのホテルオークラマカオ棟に近いマスゲーミングフロアの入口脇からエスカレーターで1つ上に進んだM階に位置し、40台のゲーミングテーブル(ゲームの種類はすべてバカラ)と6台のスロットマシンを設置。
興味深いのは敷居の低さだ。広報担当によると、施設の入口で無料で入会できるメンバーシップクラブの案内をすることもあるというが、フロントマネーの設定もなく、一見(いちげん)でもかまわないとのこと。また、ゲーミングテープルのミニマムベット(1回あたりの最低賭け金額)を確認すると、マスゲーミングフロアの約2倍程度にあたる2000香港ドル(日本円換算:約3万1000円)がほとんどで、低めに設定されているという印象だ。
なお、マカオのカジノではマスゲーミングフロアが喫煙室を除いて禁煙化されているが、こちらはVIPルームのため分煙扱いで、およそ3分の2のゲーミングテーブルが喫煙可能エリアに配置されている。喫煙ギャンブラーの取り込みも想定されているとみられる。
米ラスベガスの6倍規模の売上を誇る世界一のカジノ都市マカオだが、月次カジノ売上は、昨年6月から今年8月まで15ヶ月連続で前年割れとなっており、今年1〜8月の累計カジノ売上は1588.82億パタカ(約2兆4065億円)で、前年同期比36.5%減と低迷が長期化している。
昨今のマカオのカジノ売上減については、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出によるものとされ、中国本土における経済の減速や反汚職キャンペーンの拡大などの影響が指摘されている。一方、平場にあたるマス部門は比較的堅調に推移していることから、カジノ運営各社ではハイエンド・マスと呼ばれる準VIP層の集客強化を図っており、新たな売上の柱に育てたい思惑がみてとれる。