香港のマクドナルドで女性死亡、ホームレスか=24時間営業店
- 2015/10/5 5:37
- 香港・大湾区
香港・九龍半島の住宅街、坪石(ピンシェック)地区にある24時間営業のマクドナルド店内でホームレスとみられる女性が死亡しているのが見つかったという。
香港の日刊紙アップルデイリーが10月4日付紙面で報じた内容によると、10月3日午前8時20分頃、出勤してきたマネージャーがテーブル席でうつ伏せ状態になっていた女性客を発見、声を掛けたが反応がなかったため身体に触れたところ、すでに冷たくなっていたことから警察に通報したという。発見時、テーブルには水のボトル1本とマクドナルドの紙コップが1つ置かれていたという。
警察が店内の監視カメラで確認したところ、この女性はマネージャーが発見するおよそ24時間前の2日午前8時39分に入店し、15分後に発見時と同じテーブル席に座ったという。その後、3日午前1時20分頃に突然テーブルにうつぶせとなり、1時47分にはわずかな指の動きが確認されたが、その後は動かない状態だったという。テーブルの位置が目立たない場所にあったことから、他の利用客が異変に気づかなかったようだ。
死亡した女性の所持品からは身分証などがみつかっておらず、警察が身元の確認を進めているとのこと。年齢は50〜60歳くらいで、たいへん痩せており、両足が異常に膨張していたことから、病気を患っていた可能性もあるとのこと。
女性はこの店で夜明かしをしていたところや、近くの公園などで一人でいるところを過去に何度も近隣住民にに目撃されていたことから、ホームレスだったとみられるという。発見時の所持金はたった2.6香港ドル(日本円換算:約40円)、交通系ICカードの残高は4.3香港ドル(約67円)だったとのこと。
香港では貧富の格差の拡大が大きな社会問題のひとつとなっており、特に低所得者層の住宅難が深刻だ。ホームレスの数は1200人を超えるとみられ、香港に約150店舗ある24時間営業のマクドナルドが「逃げ場」として利用されている現状もあるという。このほか、中国本土から香港を訪れる中国本土旅客の一部がホテル代を節約するため店内で夜明かしをする姿も見受けられる。

手前が香港島のビジネス街、ビクトリアハーバーを隔てた先にあるのが九龍半島(資料)—本紙撮影