香港、野生サル対策でゴミ箱デザイン改良=大都会の印象も実は豊かな自然残る
- 2015/10/18 13:14
- 香港・大湾区
高層ビルが林立するアジア随一の大都会というイメージが強い香港だが、実はほんの少し都心部から離れた郊外に、豊かな自然が残るエリアが数多く存在することでも知られる。
香港各地にある「郊野公園」と呼ばれる郊外型の自然公園は、トレッキングやハイキングといったレジャーを気軽に楽しめる場所として休日を中心に友人同士や家族連れのグループなどで賑わう。香港の陸地面積は約1105平方キロで、このうち40%を郊野公園と生態保育区が占める。
郊野公園を管轄する香港政府漁農自然護理署によると、昨今、郊野公園に設置されているゴミ箱が野生サルにとって格好の「餌場」になっているという。サルは食べ残しなどがゴミ箱の中に入っていることを知っており、手を突っ込んで次々とゴミを取り出して食べ物を探す姿が確認されているとのこと。その結果、周辺にゴミが散乱するだけでなく、風が吹くと遠くまでゴミが飛散することから、環境、衛生上の問題として同署の頭を悩ませていたとのこと。
同署は野生サルの習性や海外の事例などを参考にゴミ箱のデザイン改良に取り組んできたといい、半年前からテストしている最新型で効果が確認できたとしている。今後、野生サルの多い公園で改良版の設置を順次進めていくというが、最も効果的なのは食べ残しなどのゴミを捨てないことだとし、レジャーで郊野公園を訪れる市民や観光客に対し、ゴミの持ち帰りに対する協力を呼びかけた。また、スナック菓子やソフトドリンクといった糖分や塩分の高い人間の食べ物は、野生サルの健康上も摂取が好ましくないことも付け加えた。
なお、香港で野生サルの多い公園として、いずれも九龍半島にある金山郊野公園、城門郊野公園が挙げられるという。サルの他にも野ブタ、野犬、カラスがゴミ箱の中身を狙っているとのこと。