マカオのカジノ、喫煙ゾーン増設で労使対立=当局介入、禁煙に戻る

健康意識の高まりを受け、マカオでも公共エリアの禁煙化が進んでいる。マカオに35あるカジノ施設についても、2014年10月6日からハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームが分煙、平場にあたるマスゲーミングフロアが全面禁煙となった。マスゲーミングフロアには喫煙ルームが設置されている。

10月25日、マカオ・新口岸にある米国系の大型IR(統合型リゾート)「ウィンマカオ」で、従業員およそ100人が参加する一時ストが実施された。会社側が2014年10月6日から全面禁煙となったマスゲーミングフロアの一部を新たにVIPルーム扱いと変更し、喫煙可能エリアとしたことが事の発端だった。

従業員から要請を受けた当局が介入して現場を確認したところ、当該エリアには禁煙のサインが掲出されておらず、ゲーミング(カジノ)テーブルにも灰皿が設置され、違法な喫煙行為に対する注意も行われていなかったという。カジノ運営会社側の解釈では、分煙が認められるVIPルーム扱いに変更したとのことだったが、当局は2014年10月6日時点で禁煙だったマスゲーミングフロアを新規にVIPルーム化することで分煙対応とすることは認められないとの見解を伝えたという。当局では、法律に基づきカジノ運営会社側へ罰金を科す方針で、調査を進めた上で速やかに処分内容を一般公開するとしている。

なお、当該エリアは禁煙に戻されたといい、従業員によるストも解散したとのこと。

マカオのカジノを訪れるギャンブラーは中国本土出身者が多く、喫煙需要が高いとされる。

マカオ半島新口岸エリアに位置するカジノIR施設「ウィンマカオ」外観(資料)=2015年4月—本紙撮影

マカオ半島新口岸エリアに位置するカジノIR施設「ウィンマカオ」外観(資料)=2015年4月—本紙撮影

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