マカオ、女性税関長が自殺=公衆トイレ内でリストカット
- 2015/10/31 10:27
- 社会・政治
マカオ特別行政区のトップ、崔世安行政長官は10月30日夜に特別記者会見を開き、マカオ税関長の頼敏華氏が死亡したことを発表した。詳しい死因については検死官が調査中だが、初期調査では他殺の可能性が排除されたとしたことから、自殺とみられる。これまでに遺書などは見つかっていないという。
また、崔行政長官は記者会見において、頼氏がいかなる汚職調査の対象にもなっていなかったとする廉政公署(反汚職独立委員会)委員の報告を紹介した。
同日午後3時半頃、警察がマカオ・タイパ島のマンション群の中にある公衆トイレ内で女性が死亡しているとの通報を受け現場に急行。その後、死者が頼氏であったことが確認された。
頼氏は同日夕方に予定されていた中国公安当局との水域管理及び密航対策に関する会議に出席する予定だったが、姿を見せず、連絡もつかない状況だったという。
頼氏は1956年1月マカオ生まれ、既婚で2人の子供を持つ母親。享年56歳。マカオ警察学校出身で、1984年にマカオ保安部隊に入隊して以降、約30年間にわたって水上警察、税関畑を歩んできた。昨年(2014年)12月にマカオ税関長に就任したばかりだった。
マカオの日刊紙澳門日報が10月31日付紙面で報じた内容によると、頼氏は発見時に血だらけで倒れていたといい、リストカットによる自殺だったとみられるとのこと。現場と成った公衆トイレは比較的利用者が少ない施設だったという。
頼氏の上官にあたるマカオ保安庁の黄少澤長官は、最近の頼氏について、何ら変わった様子もなく、気分も良さそうに見えたことから、突然の自殺の報に非常に衝撃を受け、悲しみに包まれているとコメント。前夜には警察総局の晩餐会に参加しており、笑顔で談笑し、酒も飲んでいたとのこと。
マカオにおける政府高官の在任中の自殺は1999年にポルトガルから中国へ返還されて以降初めて。
今後しばらくの間、マカオ保安庁の黄少澤長官がマカオ税関長を兼務する。