マカオの9月ホテル客室稼働率78.4%=供給増で前年から下落も宿泊客数は増
- 2015/10/31 17:48
- 産業・経済
マカオ政府統計調査局が10月30日に公表した最新統計で、今年(2015年)9月の平均ホテル客室稼働率が前年同月から6.2ポイント下落となる78.4%だったことが明らかとなった。1〜9月の累計では80.0%となり、辛うじて8割台をキープできた。
前年同月比で客室稼働率が下落している要因として、今年に入って以降の相次ぐ新ホテル開業により供給客室数が増えたこと、9月の訪マカオ旅客数が0.4%増にとどまったことなどが挙げられる。
ホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から5.2ポイント下落の80.7%、4つ星が10.5ポイント下落の76.0%、3つ星が5.4ポイント下落の76.5%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が8.2%、4つ星ホテルが10.0%のそれぞれ増となっている点も考慮する必要がある。3つ星ホテルでは供給客室数に変動なし。
今年9月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から5軒増の103軒、客室数は同7.4%増の3万室あり、このうち5つ星ホテルが3軒増の30軒で、客室数は全体の66.3%を占める1万9900室。
今年9月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比0.1%増の85.3万人(のべ、以下同)。内訳は中国本土旅客が2.6%減の53.3万人、香港旅客が33.1%増の13.5万人だった。また、日本旅客は14.9%増の1.7万人となり、15.7%減の1.6万人だった韓国旅客を上回った。
9月は夏休みの直後で国慶節連休前の閑散期にあたる。客室供給数が増える中、5つ星ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったものとみられる。
マカオ政府土地工務運輸局が8月30日に公表した資料によると、今年第2四半期時点で着工済みのホテルが22軒、計画段階のものが30軒あり、これら52軒の合計客室数が2万1100室に上るという。近い将来、マカオのホテル客室数は現在のおよそ1.7倍の5万1100室となる見通し。