Uber、マカオ警察の取り締まり手法に異議=合法との認識不変、サービス継続意向
- 2015/11/4 9:10
- 社会・政治
世界各地でスマートフォン向けアプリを使った配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」は、今年(2015年)10月22日に現地旅行社との協業によるマカオでの試験サービスを開始した。しかし、開始当夜に警察当局が違法性を指摘する緊急声明を出し、同月29日までに2人のドライバーが白タク運営にあたるとして検挙、車輌が押収されるなど、波乱の船出となっている。
Uberは11月3日、マカオで試験サービスを開始して以降で初めてとなる記者会見を開き、弁護士の見解及び事前リサーチ結果を根拠に、同社がマカオにおいて現地旅行社と協業で展開するサービスが合法であるとの認識をあらためて示した上、ドライバーの権利を守るため、協業先とともに警察の取り締まり手法について関連機関に異議申し立てを行う考えを明らかにした。
記者会見に出席したUberのサム・ゲルマン北アジア地区ゼネラルマネジャーは、Uberのマカオにおける協業先旅行社は合法的にマカオ市民及び観光客といった個人、カジノやホテルなどの法人に対してハイヤーサービスを提供しており、新たな集客手段のひとつとしてUberプラットフォームの採用したが、ビジネスモデルが一切変わっていないと述べた。また、現在、マカオには企業によるアプリを使った配車予約を制限する法律はなく、ホテル予約アプリと同様であるとした。
Uberによると、地元旅行社及びドライバーは、Uberが提供する技術を活用することで、より多くの潜在ターゲットにアプローチが可能となることから、協業に対して非常に前向きな姿勢を示しているとのこと。同社では、今後も協業先旅行社とともにマカオ安全かつ信頼性の高いトランスポーテーションサービスの提供を約束するとし、継続の意向を示した。
なお、10月22日のマカオでの試験サービス開始後、マカオの多くのユーザーからポジティブな反応があり、実際に世界40都市のユーザーによる利用があったという。
マカオでは、近年の人口及び訪マカオ旅客数の急増に伴い、タクシーが供給不足の状況となっており、一部悪徳ドライバーによるぼったくりや乗車拒否も散見されることから、サービス改善を求める市民や観光客も多く、Uberへ期待につながっているものとみられる。一方、タクシー業界はUberの上陸に反発しており、マカオ警察当局、交通当局、旅行社を管轄する旅遊局(観光局)もアプリを使った配車サービスは違法であるとの姿勢を一貫して主張している。
今後しばらくUberとマカオ当局との間で攻防が続きそうだ。