英国からマカオに53億円返還=建設疑獄で服役中の元マカオ運輸工務庁長官の不正蓄財分
- 2015/11/4 11:03
- 社会・政治
マカオ特別行政区政府と英国は11月3日、マカオ最大といわれる建設疑獄に絡み、収賄やマネーロンダリングなどの罪で服役中の歐文龍(アオ・マンロン)元マカオ運輸工務庁長官が不正に蓄財していたと英国の裁判所が認定、没収した約3.5億パタカ(日本円換算:約53億円)の資産をマカオに返還する証明書への署名式をマカオで開催した。
今回の英国からマカオへの資金の返還は国連腐敗防止条約に基づくものという。マカオ特別行政区政府側の代表を務めたマカオ行政法務庁の陳海帆長官によると、今回英国から返還されたものと、すでに香港から返還された約4.4億パタカ(約67億円)を含め、マカオ政府が没収した歐服役囚及びその家族らによる海外不正蓄資産の合計は約8億パタカ(約122億円)に上るという。
マカオ最大の疑獄といわれるこの事件は、歐文龍元長官が在任中の2000年から2006年にかけて、許認可や公共工事の入札などの建設利権に絡み、関連業者から多額の賄賂を受け取っていたもの。2008年1月、マカオの最高裁判所にあたる終審法院は歐文龍元長官に対して収賄40件、マネーロンダリング13件などの罪で28年半の懲役刑、不正に蓄財した資産を没収するとした判決を下した。