マカオの10月ホテル客室稼働率77.6%=供給増で前年から下落も宿泊客数は増
- 2015/12/1 11:21
- 産業・経済
マカオ政府統計調査局が11月30日に公表した最新統計で、今年(2015年)10月の平均ホテル客室稼働率が前年同月から8.0ポイント下落となる77.6%だったことが明らかとなった。1〜10月の累計では6.4ポイント下落の79.8%となり、8割を下回った。
前年同月比で客室稼働率が下落している要因として、昨今の相次ぐ新ホテル開業により供給客室数2ケタ増となったことが挙げられる。
ホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から5.1ポイント下落の81.6%、4つ星が18.4ポイント下落の68.6%、3つ星が3.3ポイント下落の80.2%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が8.2%、4つ星ホテルが38.7%のそれぞれ増となっている点も考慮する必要がある。3つ星ホテルでは供給客室数に変動なし。
今年10月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から6軒増の104軒、客室数は同13.1%増の3万1600室あり、このうち5つ星ホテルが3軒増の30軒で、客室数は全体の63.0%を占める1万9900室。
今年10月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比4.2%増の89.6万人(のべ、以下同)。内訳は中国本土旅客が5.2%増の58.6万人、香港旅客が20.3%増の11.6万人だった。日本旅客は9.4%増の1.3万人。
10月は月初に中国の建国記念日にあたる国慶節の大型連休があった。客室供給数が増える中、客室数の多い大型IR(統合型リゾート)併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったものとみられる。
マカオ政府土地工務運輸局が11月30日に公表した資料によると、今年第3四半期(2015年7〜9月)時点で着工済みのホテルが18軒、計画段階のものが33軒あり、これら51軒の合計客室数が2万1000室に上るという。近い将来、マカオのホテル客室数は現在のおよそ1.5倍の5万2600室となる見通し。