マカオカジノ監理部門、検察官出身のチャン新局長が就任

マカオ政府のカジノ監理部門、博彩監察協調局(DICJ)のマヌエル・ジョアキン・ダス・ネーヴェス局長が11月末日で退官したことを受け、12月1日付で元マカオ検察院のパウロ・マルチンス・チャン(陳達夫)次長検事が新局長に就任した。

上位部門にあたるマカオ政府経済財政庁のライオネル・リョン(梁維特)長官は同日行われた就任式の中で、チャン氏を新局長に選んだ理由について、司法界に17年間身を置き法律と司法体系を熟知していること、中国語、ポルトガル語、英語による高いコミュニケーション能力を有すること、マカオのカジノ法に関する研究実績があることなどを挙げた。

チャン新局長は就任演説において、昨今マカオのカジノ業界が調整期にある中、完璧な規範の存在が重要であり、今後、カジノ業界関連法規、カジノ仲介人業界の内部ガイドラインの全面見直しを含め、法律及び規制メカニズムの完全化に取り組むと述べた。また、DICJの内部オペレーションについても積極的に改善できるよう研究を進めたいとのこと。このほか、仕事に臨む姿勢として、法治の原則、公衆の利益が原則であり、謙虚な心を持って各方面の第三者の意見に耳を傾け、事実を追求することを挙げ、局員とともに最大限多くの市民の期待に報いたいと抱負を語った。

前任のネーヴェス局長の在任期間は、マカオがポルトガルに返還される直前期から現在に至るまで18年間に及んだ。マカオのカジノ経営は長く一社独占体制が続いてきたが、2002年にカジノ経営ライセンスが対外開放され、その後、ライセンスを獲得した6陣営による大型カジノ施設のオープンが相次ぎ、2007年にラスベガスのカジノ売上を抜き世界最大のカジノ都市へと急成長を遂げた。マカオのカジノ売上規模はラスベガスのおよそ6倍に達したが、昨年6月から今年11月まで18ヶ月連続で前年割れ、今年1〜11月の累計カジノ売上は前年同期比35.3%減となるなど、長い低迷期に入っている。

6陣営の現行のカジノ経営ライセンスは期限付きのもので、2020〜22年にかけて満期を迎える。政府は現行体制に関する第1次中間レビューを年内までにまとめる方針で、今後、現行ライセンスの更新や新規参入を認めるか否かといった重要な判断が迫られる時期が近づいている。

なお、チャン新局長は就任式後の記者会見で、就任前に6陣営と接触したことはなく、今後必要に応じてイベントへの参加などを検討するとコメントした。

右が12月1日付でマカオ博彩監察協調局(DICJ)の新局長に就任したパウロ・マルチンス・チャン(陳達夫)氏、中央がライオネル・リョン(梁維特)マカオ政府経済財政庁長官(写真:GCS)

右が12月1日付でマカオ博彩監察協調局(DICJ)の新局長に就任したパウロ・マルチンス・チャン(陳達夫)氏、中央がライオネル・リョン(梁維特)マカオ政府経済財政庁長官(写真:GCS)

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