警戒と期待―衆院選結果受けマカオメディア報道
- 2012/12/17 11:29
- 澳日関係
16日に投開票が行われた日本の第46回衆議院議員選挙結果が深夜までに大勢が判明したことを受け、マカオの地元メディアも17日朝から相次いでこれについて報じている。マカオ最大部数を誇る有力紙「澳門日報」では、選挙で圧勝した自民党の安倍総裁について「タカ派」の人物として一定の警戒感を示しつつも、大筋では日中関係改善への期待を寄せる比較的穏健な内容の記事を掲載。
澳門日報では中国国営新華社通信、中新社(中国新聞社)、中通社(中国通訊社、香港)、ロイター通信(米国)などの情報を元に衆院選の結果を報道した。紙面の2面分を使い、まず自民党の圧勝と民主党の完敗、民主党野田代表の党首辞任、民主党閣僚経験者の落選や低い投票率について事実を列挙する形で報道。続いて、事実上次期首相に決まった自民党安倍総裁の人物像について詳細に解説。靖国参拝や「尖閣諸島は日本の固有の領土である」という安倍氏の姿勢を伝えつつも、「日中関係を早期に改善する」とした選挙後のコメントも紹介。また、自民党石破幹事長が記者会見で新華社からの質問に対して「日中両国は引っ越すことができない隣人。互いに自国の国益を守る中で対話を誠実に行う必要がある」と述べたことも付け加え、一定の警戒感を持ちつつも、新政権へ日中関係改善への期待感を示したかたち。なお、今回の選挙で大幅に議席数を伸ばした日本維新の会については石原慎太郎代表個人について触れ、今後全国を舞台に強硬な主張をする可能性を指摘し、注目すべき存在としている。
社説では「日本の新リーダーは尖閣諸島(中国側呼称:釣魚島)問題について慎重に対処せよ」とのタイトルとともに、中国側が従来から主張する釣魚島への立場を堅持しながら、日本側へのけん制を求める内容だった。