マカオの11月ホテル客室稼働率84.6%=供給増で5.7ポイント下落も宿泊客数は増加
- 2015/12/31 12:25
- 産業・経済
マカオ政府統計調査局が12月31日に公表した最新統計で、今年(2015年)11月の平均ホテル客室稼働率が前年同月から5.7ポイント下落、前月から7.0ポイントの上昇となる84.6%だったことが明らかとなった。1〜11月の累計では0.4ポイント上昇の80.2%となり、8割台を回復した。
前年同月比で客室稼働率が下落している要因として、昨今の相次ぐ新ホテル開業により供給客室数2ケタ増となったことが挙げられる。
ホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から5.8ポイント下落の85.3%、4つ星が5.8ポイント下落の86.2%、3つ星が4.8ポイント下落の85.1%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が8.6%、4つ星ホテルが38.7%のそれぞれ増となっている点も考慮する必要がある。3つ星ホテルでは供給客室数に変動なし。
今年11月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から6軒増の104軒、客室数は同13.4%増の3万1700室あり、このうち5つ星ホテルが3軒増の30軒で、客室数は全体の63.1%を占める2万室。
今年11月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比3.3%増の93.2万人(のべ、以下同)。内訳は中国本土旅客が1.6%減の58.1万人、香港旅客が33.8%増の13.2万人だった。日本旅客は11.2%増の1.7万人で、6割が5つ星ホテル、3割が4つ星ホテルへの宿泊だった。
11月は中旬にモータースポーツの祭典、第62回マカオグランプリが4日間に渡って開催された。同月の訪マカオ外客数は前年同月比7.6%減、前月から1.8%減となる258万9451人となり、このうち51.9%を日帰り旅客が占めた。客室供給数が増える中、客室数の多い大型IR(統合型リゾート)併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったものとみられる。
マカオ政府土地工務運輸局が11月30日に公表した資料によると、今年第3四半期(2015年7〜9月)時点で着工済みのホテルが18軒、計画段階のものが33軒あり、これら51軒の合計客室数が2万1000室に上るという。近い将来、マカオのホテル客室数は5万室を上回る規模となる見通し。