マカオのカジノで隣席客狙った「チップ盗」相次ぐ=両面テープ使う手口も

マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくゲーミングチップを使用する。ゲーミングチップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。1枚10万香港ドル(日本円換算:約150万円)といった高額チップも存在する。

ゲーミングチップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばゲーミングチップを狙った犯罪が発生している。

マカオ司法警察局は1月5日の定例記者会見で、近日ゲーミングチップ窃盗事件が2件相次ぎ発生し、それぞれ中国本土出身の38歳と20歳台の男を逮捕したことを発表した。

1月4日午後2時頃、マカオ・新口岸地区にあるカジノ施設内のゲーミングテーブルで、客が40万香港ドル(約600万円)分のチップをベットしたところ、隣席にいた男が100香港ドル(約1500円)のチップをベットするふりをして視界を遮り、額面10万香港ドルのチップ1枚を手のひらに貼った両面テープに接着させる手口で盗み、後方に控えていた仲間とみられる男に渡そうとしたという。これに客が気付き、大声で上げたところ、男らは一目散に逃げ出したが、間もなく警備員がチップを手にしていた男を制止し、チップを回収。その後、カジノから通報を受けて現場に到着した司法警察局に引き渡された。なお、仲間と見られる男は逃走中で、同局が行方を追っている。

もうひとつの事件は、別のカジノ施設で1月2日午前2時頃に発生。客がカジノテーブル上の自分の手元に11万香港ドル(約165万円)分のチップを置いていたところ、隣席の男がベットするふりをしてチップに覆いかぶさってきた際、チップを盗まれたことに気付いたという。客が大声を上げたところ、隣席の男と周囲にいた仲間とみられる男らが一斉に逃げ出したが、チップを手にしていた男は出口付近で警備員に捕まった。その後の経緯は1月4日の事件と同様。

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノチップとバカラのゲーミングテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

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