不振続くマカオのカジノ売上、新IR開幕効果で16年通期は微増に=金融大手CLSA見通し

マカオは面積約30平方キロ、人口約64万人の小さな街だが、海外(中国本土、香港、台湾を含む)から年間3000万人を超える旅客が訪れるアジア有数の観光都市として知られる。また、市内には大小33ものカジノ施設が建ち並び、ラスベガスを大きく上回る世界一のカジノ売上規模を誇る。

しかしながら、マカオのカジノ売上は2014年6月から2015年12月まで19ヶ月連続で前年割れ、2015年の通期でも前年から3割超の大幅なマイナスを記録するなど、大不振の真っただ中にある。今後、どのタイミングで底打ちするのかに注目が集まっている。

1月26日午後、アジア最大のカジノ見本市、G2E(グローバル・ゲーミング・エキスポ)アジア2016(5月開催)の概要発表記者会見が行われ、国際金融大手CLSAのコンシューマー・ゲーミング(カジノ)リサーチ部門のアーロン・フィッシャー総監がゲストとして登壇した。

プレゼンテーションを行うアーロン・フィッシャー氏=1月26日、マカオー本紙撮影

プレゼンテーションを行うアーロン・フィッシャー氏=1月26日、マカオー本紙撮影

フィッシャー氏は今後のマカオのカジノ市場の見通しについて、2016年は上半期こそ月次で前年割れが続くが、3つの大型IR(統合型リゾート)が相次ぎ開幕することをきっかけとして下半期以降にプラスに転じるとし、通期では前年比1%増の約290億米ドル(日本円換算:約3.4兆円)、さらに2017年は同12%増の330億米ドル(約3.9兆円)まで回復するだろうと述べた。なお、VIPルームの売上は大きく変わらず、マスゲーミング(平場)の売上拡大が伸長に寄与するものとした。

マカオを取り巻くアジアの競合カジノ地域として、日本についての言及もあった。北アジアとのアクセスが良く、大きな中産階級層人口を抱えることから、400億米ドル(日本円換算:約4.7兆円)規模のポテンシャルを持つ世界最大のカジノ未開拓市場のひとつであるとした上、最初のIR施設の開幕が実現するの時期は早くとも2023年との見通しを示した。同氏は2年間の東京勤務経験を持つという。

2016年6月25日に開業を予定している大型IR、ウィンパレス(資料)=マカオ・コタイ地区—本紙撮影

2016年6月25日に開業を予定している大型IR、ウィンパレス(資料)=マカオ・コタイ地区—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  在香港日本国総領事館は11月22日、同月14日に澳門日本会に対する在外公館長表彰授与式が執り行わ…
  2.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  3.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  4.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  5.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun